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フライボール革命にフィットした野球をしている西武ライオンズ

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ここ数年、メジャーリーグを中心にフライボール革命という言葉をよく耳にするようになった。日本のスポーツニュースでも時々取り上げられている言葉ではあるが、ではフライボール革命とは一体どんな革命のことなのか?


日本野球は元来、ボールは上から叩いてフライを上げないというバッティングスタイルを小学生の頃から叩き込まれている。しかしこれは考え方としては非常に消極的なバッティングスタイルだと言える。内野フライを上げてしまってはほとんど100%アウトになるが、ゴロを転がせば何が起こるかわからない、という考え方であるわけだが、しかし軟式野球の場合、実はミスショットをして打ち上げた内野フライほど捕球しづらいものはない。

また、データ野球が主流となった現代野球では、打者がどちらの方向にゴロを打ちやすいかと言うデータによって、ゴロが内野の間を抜けていくことが減ってしまっている。単純にレベルの低い草野球や、少年野球などを見ていてもデータを取るまでもなく、右打者であればほとんどのゴロがショートとサードに飛んでいく。そのためこの2つのポジションがしっかりしていれば、ゴロをアウトにできるケースもそれだけ多くなる。これがプロになれば一流の選手たちがデータに合わせてシフトを取ることになるため、ゴロが外野に抜けていくケースがアマチュア以上に低くなってしまうのだ。

それならば最初から内野手の頭、それどころが外野手の頭を越える打球を狙っていこう、というのがフライボール革命における考え方となる。事実フライボール革命の考え方に即した野球をしたチームは、メジャーリーグでもアストロズのように大成功を収めている。ちなみに日本でフライボールを革命にフィットした野球をしているのは、埼玉西武ライオンズだと言えるだろう。

ライオンズのラインナップには中村剛也選手、山川穂高選手、浅村栄斗選手、秋山翔吾選手、森友哉捕手ら、和製スラッガーがズラリと並んでいる。ライオンズの長打力が注目され始めたのは2008年に優勝した時だったわけだが、その頃は中村剛也選手が他の追随を許さない本数のホームランを毎年のように打っていた。ちなみに中村剛也選手を育てたのはデーブ大久保コーチだと言われているが、しかし実際に細かい技術指導を行なっていたのは熊澤とおるコーチだった。これに関してはデーブ大久保コーチ自身もそう語っている。

熊澤コーチは、松井稼頭央選手のパーソナルコーチとしてメジャーで活躍されたコーチだ。その際にメジャーの様々な技術を日本に持ち帰り、ライオンズの打者に伝えていった。その結果ライオンズにはスラッガーを生み出す礎のようなものが生まれていく。もちろんその以前から、土井正博コーチによるしっかりと振り抜くバッティング指導というものもあったわけだが、そこに熊澤コーチが持ち込んだ最新技術が上手く噛み合い、ライオンズは強打のチームへと変貌してく。一時は日本人スラッガーをまったく育てられない時期もあったライオンズだったが、2008年以降はその状況は一変していく。

ライオンズが具体的にフライボール革命を実践しているようには思わない。フライボール革命ありきの野球というよりは、しっかりとバットを振り抜く打者を育て続けた結果が、フライボール革命にフィットした野球になっているのだろう。多くの球団が和製大砲を育てるのに苦労している反面、ライオンズは次から次へと和製大砲を生み出していく。今年などは特に、外国人助っ人であるメヒア選手にはほとんど頼っていないような状況だ。

仮にライオンズがエース級の投手たちを立て続けにFAにより失っていなければ、昨季以降もっと圧倒的な勝ち方をしていたのではないだろうか。まさに黄金時代を彷彿させる野球となっていたはずだ。現在ライオンズのチーム防御率は12球団でも最下位争いをしている水準にある。これは常勝チームを目指す上では非常に苦しい。そう考えると、やはり岩隈投手の獲得を目指すべきではないだろうか。

他球団が今後ライオンズの取り組み方を真似ていくのかどうかはわからない。ただ貧打に苦しむチームが多い中、ライオンズのやり方は1つのロールモデルとなって良いはずだ。フライボール革命にフィットした育成、野球をしていくことでライオンズは打ち勝つ野球ができるようになった。そして他球団にもライオンズのような和製大砲が増えていけば、投手の能力ももっと上がっていくはずだ。良い打者は良い投手を育て、良い投手は良い打者を育てる。

フライボール革命云々ということを差し置いても、やはりプロ野球にはもっと魅力のある、さらに言えばメジャーリーグでもホームラン王を目指せるような打者をもっと生み出してもらいたいと筆者は願っている。

2018年09月21日

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