3年連続2桁勝利と優勝でメジャー移籍すると表明した菊池雄星投手 - 日刊野球ネイション

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3年連続2桁勝利と優勝でメジャー移籍すると表明した菊池雄星投手

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埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手が、3年連続2桁勝利とチームの優勝を達成したらポスティングを利用しメジャー移籍を目指すことを明言した。だが筆者の気持ちはイマイチ盛り上がらない。「菊池投手がメジャーで活躍する姿を見たい!」という気持ちが沸き起こらないのだ。


辻発彦新監督は今季の開幕投手に菊池投手を指名したようだ。これは12球団中で最速の開幕投手の発表ということになるが、決して菊池投手がエースであるからではないだろう。言い換えれば、開幕を任せられるかもしれない投手が菊池投手しかいなかったという見方もできる。つまりフロントが先発投手を整備しなかった、ということだ。

辻監督は菊池投手と多和田投手を競わせるようなことも話していたが、そうは言っても多和田投手はまだ今季2年目で、2桁勝利を挙げたことはもちろんまだない。他球団からしても多和田投手は打ちにくさはあっても、絶対的なエースではないため怖さはないはずだ。

菊池投手にしても他球団からすれば怖さはそれほどないだろう。昨季は12勝を挙げ、プロ7年目でようやく初の2桁勝利を挙げたわけだが、この12勝のうちファイターズ戦は3試合で1勝2敗、ホークス戦は1試合で0勝1敗と、上位2球団からは僅かに1勝しか挙げていないどころか、登板数も合わせて僅かに4試合だけなのだ。

一方岸孝之投手はファイターズ戦は6試合で3勝3敗、ホークス戦は5試合で2勝3敗と、9勝中半分以上の5勝を上位2球団から挙げている。筆者の個人的な意見を言わせてもらえるならば、菊池投手の12勝よりも岸投手の9勝の方がはるかに価値が高いということになる。

そもそも不思議なのはファイターズ戦とホークス戦に、菊池投手が僅かに合わせて4試合しか投げていないという点だ。開幕投手を務めながらこの上位2球団に対する登板数には首をかしげざるを得ない。昨季のライオンズは打倒ホークスを合言葉にしていたはずなのに、ホークス戦は9月23日に西武プリンスドームに1試合のみ投げ、7回途中7失点でノックアウトされている。

ちなみに菊池投手はプロ入り以来、ホークス戦では一度も勝ち星を挙げられていない。もしかしたら首脳陣も菊池投手がホークスに勝てないのを理解した上で、ホークス戦から外していたのかもしれない。いや、もちろん推測の域を出ないわけだが、果たして今季の開幕の相手がホークスであったならば、辻監督はこのタイミングで菊池投手を開幕投手に指名しただろうか。

さて、菊池投手は果たしてメジャーで通用するだろうか?筆者の考えはノーだ。そもそも菊池投手はプロ入り後に日本代表に入ったことがないレベルの投手だ。日本代表にも選ばれない投手がメジャーで通用するとは考えられない。

そして球速に関しても菊池投手程度のボールを投げられるサウスポーはメジャーのみならず、3Aにだっていくらでもいる。メジャーリーグとは、160km/h以上を投げられて制球力も悪くない投手であってもなかなか勝てないレベルなのだ。つまり球速が普通であれば絶対的なウィニングショットやクレバーな投球術がなければメジャーでは絶対に通用しない。

菊池投手がメジャーで投げるチャンスを得られるとすれば、左打者対策のワンポイントピッチャーとしてだけではないだろうか。だがそのようなレベルの投手を、メジャー球団がわざわざポスティングで獲得することは考えにくい。現時点から2年かけて多少レベルアップした程度では、菊池投手はメジャーで通用する投手にはなれないというのが筆者個人の考えだ。

日本人投手がメジャーで通用するためには、何と言ってもフォーク系のボールだ。田中将大投手、岩隈久志投手、上原浩治投手はみなスプリッターを勝負球として使えるし、前田健太投手にしても縦に深く曲がるカーブを投げている。

菊池投手の場合はスライダー、チェンジアップ、カーブを投げているが、チェンジアップには岸投手ほどの精度はなく、カーブにしてもドロップ寄りではなく、タイトカーブに近い。2年間かけて少なくともスプリッターを習得しなければ、先発としてのみならず、リリーバーとしてもメジャーでは通用しないだろう。また、フォーク系のボールを苦手にしているホークス打線に勝つこともできないだろう。

メジャーに行って活躍するという夢を菊池投手には自ら叶えてもらいたいとは思う。しかしそれを語る前にまずはファイターズとホークスに勝てるようになってもらわなければ困る。

このようなことを考えていると筆者は2011年のCSファイナルステージ第3戦を思い出してしまう。ライオンズ涌井秀章投手、ホークス杉内俊哉投手によるあの投げ合いだ。両投手延長10回までマウンドに登るも、10回にそれぞれ1点ずつ失い力尽きてしまう。

10回表にライオンズがようやく杉内投手から1点をもぎ取るも、その裏に涌井投手も1点を失ってしまい降板となった。この降板時に見せた涌井投手の悔し涙は、筆者は今でも忘れられない。この涙の意味を知るからこそ、チームメイトも涌井投手をエースとして愛したのだ。この涌井投手の姿と比較をすれば、現段階の菊池投手はとてもエースと呼べるレベルにはないと筆者には感じられる。

チームメイトたちが「こいつのことを勝たせたい!」と思えるのがエースだ。西口文也投手、松坂大輔投手、涌井秀章投手、岸孝之投手らがそうだ。いまライオンズは完全にエースが不在になってしまった。

通常優勝するチームには少なくとも3本柱と呼ばれる10勝トリオがいるものだ。しかしライオンズにはその柱が今1本もないのだ。昨季は12勝を挙げたとは言え、菊池投手は上位チームには勝っていない。それなのに今季の年俸は1億円を越えたという。

初の2桁勝利、しかも上位チームには勝てないという中での年俸1億円。筆者には西武球団のこの査定が不可思議に思えて仕方がないのである。

2017年01月08日

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