近年3年連続で怪我をしている岸孝之投手の楽天移籍1年目は?! - 日刊野球ネイション

岸孝之

近年3年連続で怪我をしている岸孝之投手の楽天移籍1年目は?!

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いよいよクリムゾンレッドのユニフォームを纏った岸孝之投手がそのベールを脱いだ。キャンプイン早々に則本昴大投手と並んでブルペン入りするなど、オフのコンディショニングは順調に行ったようだ。このふたりが合わせて30勝挙げることができれば、イーグルスが再びパ・リーグの頂点に立つ確率もグッと高まっていくだろう。


岸投手について心配なことと言えば、イーグルスファンとしては近年増えてきた怪我ではないだろうか。ここ最近は3年連続で故障により戦線を離脱している。2014年は軽症だったとは言え肩痛、2015年はキャンプ初日のストレッチング中に背中を痛め長期離脱し、復帰後も脇腹の肉離れでシーズン終盤に再び離脱。そして2016年も右内転筋痛で離脱している。

ではなぜここ3年、岸投手は毎年のように怪我をしているのだろうか。まず考えられる原因はここ数年、岸投手の球威がアップしているという点だ。ライオンズ時代の1〜8年目までに7回の二桁勝利をマークしていた時期と近年を比較すると、ここ数年は球威が見るからにアップしているのだ。

ストレートのアヴェレージも恐らく2〜3km/h速くなっていると思うのだが、それ以上に感じられるのは球威の向上だ。2013年は10イニングスに1本の割合でホームランを浴びていたが、これが2016年になると16イニングスに1本の割合に大幅に改善されている。

もちろん投球術に円熟味が加わったことも考えられるわけだが、しかし球速もアップしていることを考えると、投球術だけで被本塁打が減ったとは考えにくい。やはりストレートの力そのものが上がったからこそ、被本塁打が大幅に減ったのだろう。

なぜ球威がアップしたのかという解説はまた別の機会に書くことにし、今回は球威アップと怪我にフォーカスを絞りたい。ここ数年、2013年以前よりも球威が上がっている分、その負荷に体が耐えられなくなっていたのだと考えられる。つまり球威をアップさせられる技術とパワーを手にしても、その強いボールを投げた際の衝撃にまだ体が馴染んでいなかったということだ。

しかし球威アップが見え始めてもう2〜3年が経過し、そろそろ岸投手の体も新たな球威に馴染んできたはずだ。そして岸投手自身、その球威の負荷に耐えるためのトレーニングもオフに行ってきたと思われる。このように考えていくと今季、岸投手が長期離脱することはないだろうと筆者には思えるのだ。

エース級のピッチャーがFA移籍すると、なぜか怪我をして活躍できなくなるケースが多い。古い例で言えばスワローズからドラゴンズに移籍した川崎憲次郎投手、最近ではMLBからホークス入りした松坂大輔投手や、ベイスターズからジャイアンツに移籍した山口俊投手の例がある。山口投手の場合はまだ開幕前という段階ではあるが、右肩の違和感でキャンプイン後も3軍調整が続いている。

しかし岸孝之投手は筆者が見る限りでは大丈夫だろう。心配すべき点と言えば内転筋と脇腹だ。内転筋痛というのは良い投球モーションで投げている投手の宿命とも言える痛めやすいポイントであり、脇腹痛に関しては岸投手はやや癖のようになってしまっている。だがそれもキャンプイン後のピッチングを見る限り、故障歴のある内転筋も脇腹も大丈夫そうだ。岸投手らしい、実に悠々としたフォームで投げられている。

岸投手は近年ずっと西武球団のフロントに対し不満を持っていた。その理由は西武ドーム(今季からメットライフドーム)のマウンドだ。通常本拠地のマウンドというのはエースの好みに合わせて調整が行われる。例えばエースピッチャーが剛腕タイプであればマウンドの傾斜を少し強くしたり、エースが技巧派であれば逆に傾斜を緩やかにする。

だが西武球団は前エースであった涌井秀章投手が退団したのちも、西武ドームのマウンドを岸投手の好みに調整することはしなかった。これはつまり球団が岸投手をエースとして認めていなかった、と岸投手が感じても不思議はない球団対応となる。

それどころか西武球団は今シーズンからマウンドを外国人投手の好みに合わせようとしている。その理由は近年、西武球団が獲得してきた外国人投手がほとんど全滅状態だったからだ。しかしこれは西武ドームのマウンドのせいではない。例えばファイターズのメンドーサ投手などは西武ドームで良いピッチングを見せることが非常に多い。つまりマウンドのせいではなく、西武球団の外国人投手を連れてくる担当者に見る目がなかったというだけの話なのだ。

西武ドームのマウンドを外国人投手の好みに合わせるということは、当然岸投手も知っていたはずだ。もしかしたらそのマウンドが岸投手の好みと一致していたかもしれない。だが西武球団はエース岸投手の好みには合わせず、格安で獲得してきた外国人投手の好みに合わせるというやり方をした。これでは岸投手が西武球団を見捨てても、西武球団に同情することはできない。

岸投手は「チーム愛と球団愛は違う」という趣旨の話もしていたようだ。つまりライオンズというチームやチームメイトには愛着はあるが、西武球団に対してそれはない、ということだ。

岸投手は、この先まだまだ長い野球人生を考えるならば、西武球団を見捨ててイーグルスに移籍したことは大きなプラスとなるのではないだろうか。西武球団も将来的に渡辺久信GMが誕生すればフロントの在り方も変わっていくかもしれない。しかしそれもすぐに変わるということは難しい。変わったとしても、時間が必要だ。

それならば岸投手に対し誠意を示してくれる楽天イーグルスに移籍をしてしまった方が、時間を無駄にせずに済む。恐らく岸投手は今季、キャリアハイの数字を残すだろう。勝率7割弱で15勝程度は挙げるのではないだろうか。ここ最近の岸投手の久し振りの明るい表情と、ピッチャーとしてのコンディションとを考えると、それくらいの数字を残したとしてもまったく驚くことではないと筆者には思えている。

2017年02月03日

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