昨季30本増えたDeNAの被本塁打が意味するものとは一体?! - 日刊野球ネイション

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昨季30本増えたDeNAの被本塁打が意味するものとは一体?!

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チーム練習前にフリーバッティングを行うラミレス監督

横浜DeNAベイスターズは2006年以降10年連続でBクラスに低迷していた。それが昨季からアレックス・ラミレス監督がチームを率いると、前年の最下位から一気に3位にチームは浮上し、2005年に牛島監督が3位になって以来のAクラス入りを果たした。とは言え3位になった昨季もチームは負け越しており、2001年の森祗晶監督以来の勝率5割以上には手が届かなかった。


筆者が昨季ベイスターズの野球で注目をしていたのは、ラミレス監督が投手陣に指示した徹底した内角攻めだった。なぜ内角攻めが必要かと言えば、ボール球になったとしてもしっかりと内角に一度投げておくことで、外角へのボールを打者に、より遠くに感じさせるためだ。それが上手くいけば外角に逃げて行く変化球で簡単にアウトカウントを増やせるようになる。

日本球界で2000本安打を達成しているラミレス監督自身、現役時代に最も嫌だったのは内角を攻められることだったと言う。だからこそラミレス監督は就任早々投手陣に対し内角攻めを徹底するように指示を出した。果たしてはそれは上手くいったのか?

結論から言えば、確かに内角を攻めている場面は少し増えたように感じられたが、しかしラミレス監督が求めるほどには内角攻めを徹底できなかったのではないだろうか。

確かにベイスターズの若き主軸投手である石田健大投手と今永昇太投手は共にサウスポーで、圧倒的に人数が多い右打者に対して死球を当てることはほとんどない。死球そのものの数も昨季は石田投手が1つで、今永投手は2つと非常に少ない。

もしチームの内角攻めが徹底されていれば、当然チームが与える死球数は増えて行く。だが2015年は29個で2016年は31個と、チームが与えた死球数はほとんど横ばいだった。ちなみにスワローズは75個だったわけだが、この数字は内角を攻めた結果というよりは、投手陣の技術不足のように感じられる。

その理由は12球団ワーストである76個のライオンズとほぼ同数だからだ。死球数が70個を超えているのはスワローズとライオンズだけで、ワースト3位のイーグルスであっても59個と数字はかなり離れる。昨季チーム防御率が良かったファイターズ、ホークス、カープなどの数字を見ると軒並み40台であるため、このあたりの数字がチーム全体で内角をしっかり攻めたかどうかの目安となるのではないだろうか。

一方スワローズやライオンズのように70台を大幅に超えてしまうと無駄にWHIP(WHIPの計算は実際には死球は含めない)の数字を悪化させてしまうため、チーム防御率も当然低下してしまう。昨季スワローズは4.73で、ライオンズは3.85と両チーム共に優勝を狙えるようなチーム防御率ではなかった。

話をベイスターズに戻すと、昨季のチーム防御率は3.76で、2015年も3.80とこちらもほぼ横ばいだった。だが被本塁打に関しては2015年の113本に対し昨季は143本と、30本も増えてしまった。果たしてこの数字は何を意味しているのか?

その答えは、ベイスターズの投手陣はあくまでも内角攻めを目指していた、ということだ。しかし技術がまだ目的に対し届かず、内角を攻め切ることができなかった。本来であればボール球になってもいいくらいの内角を攻めるべきなのだが、それが完全にストライクゾーンの内角に行ってしまうことが多かった、ということだ。

ストライクゾーンの内角というのは一番ホームランにされやすいコースだ。特に真ん中から上に行ってしまうと力一杯引っ張りやすく、長打になる可能性が非常に高くなる。昨季のベイスターズ投手陣は、確かにラミレス監督の指示通り内角攻めを目指していた。だがそこに技術がまだ伴わなかたtのだ。

技術が伴わずにホームランを多く打たれたということは、誰よりもベイスターズの投手たちが一番よくわかっている。石田投手も被本塁打は21本と非常に多く、今永投手は16本と少し少ないとは言え、昨季最多勝を獲得したカープの野村祐輔投手と比較をすると5本も多い。

ラミレス監督は恐らく今季も引き続き投手陣には内角攻めを指示して行くはずだ。そしてこの内角攻めの精度は昨季よりも少なからず上がっていることが予想される。特に石田投手や今永投手は左投げから右打者の内角を今まで以上に突いて行くことになるだろう。すると死球の数は多少なりとも増えて行くはずだ。

そして死球の数が増えてくると、例え内角を攻められなかったとしてもそれだけで打者は内角を気にするようになる。すると外角のボールを打ち損なう可能性が非常に高くなって行く。

現役時代の東尾修投手のピッチングを思い返すとわかりやすい。東尾投手の与死球165個は史上最多であるわけだが、それだけ死球を当てているために打者も簡単に踏み込んで行くことができない。それにより打者がまだ投げられていないシュートを意識し過ぎてしまい、外角のスライダーで簡単に内野ゴロを打たせられてしまう。

ラミレスが監督が目指しているのは、まさに東尾投手のピッチングスタイルなのだろう。何も内角球でアウトカウントを増やしたいわけではない。内角を見せておいて外角で勝負をしに行くという、投球術の基本中の基本を改めて徹底しようとしているだけなのだ。

内角攻めというのはピッチャーにとっては基本中の基本であるわけだが、2015年までのベイスターズ投手陣はその基本ができていなかったからこそ、ラミレス監督は執拗に内角攻めを投手陣に指示し、内角を攻めるという意識付けを行っていった。昨季はそれが少しだけ奏功した形となった。

ベイスターズの投手陣も昨季1年間でずいぶんと内角を攻めることには慣れたはずだ。そして迎える今季、昨季は10勝弱しかできなかった石田投手、今永投手、井納投手の3人が仮に3人とも10勝をマークすることができれば、山崎康晃投手という不動の守護神に繋いでいける試合数も増え、チームが優勝争いに加わることも十分可能となるだろう。

ラミレス監督の野球が浸透しつつあるベイスターズは、もしかしたら今季セ・リーグの台風の目となるのではないだろうかと、筆者は密かに期待しているのである。

2017年02月07日

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