大谷翔平,新労使協定,ポスティング移籍

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2016年12月25日

キューバ人選手対策が大谷翔平選手のメジャー移籍を阻む!?

  • 大谷翔平選手がメジャーでプレーできるのは早くても2019年シーズンから?!
  • キューバ人対策のMLB新労使協定が大谷選手のメジャー移籍を阻む!?
  • NPBはMLBに対し日本人選手を新労使協定の対象外にするよう求めて欲しい

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あとから考えれば「なるほど」というところだろうか。筆者は今季途中、なぜNPBが積極的にMLBと交渉しようとしないのか非常に不思議に思っていた。何の交渉かと言えば、ポスティングシステムの入札上限額についてだ。現行では日本人選手への場合、入札額の上限は2000万ドルに定められている。今日現在のレートで言えば約23億円だ。


この現行規定は今年の10月31日までに申し出ればNPB・MLB間で再検討の場を設けることが可能だった。だがNPB側が交渉の場を求めなかったため、現行ルールが1年間自動延長されることになっていた。筆者は個人的に、早ければ今オフに大谷翔平選手がポスティング移籍する可能性があったと考えていたため、この事実を残念に感じていた。

入札金の上限が23億円では、税金を引かれれば球団が実際に手にできるのは10億円少々となる。僅か10億円の利益のために大谷選手をMLBに譲るということは、日本ハム球団としては決して考えられないことだと思う。少し穿った見方をするならば、今オフに大谷投手のMLB移籍を実現させないために、NPBはあえてポスティングの入札金の再考を求めなかったと見ることもできる。

これで大谷投手がMLB移籍できるのは早くても2018年シーズンからということになった。だがここで新たに問題が生じている。MLB側で新労使協定が可決されたということだ。新労使協定ではアメリカ人・カナダ人・プエルトリコ人以外のドラフト外で25歳未満の選手の場合、1年目はマイナーリーグ出場のみ可能で、移籍金は1000万ドルが上限として設定された。

7月生まれの大谷投手は来オフはまだ23歳で、2018年シーズンに24歳になる。つまりこの新労使協定の対象選手となるわけだが、その場合もし来オフにポスティング移籍をしたとしても、2018年シーズンはマイナーリーグでしかプレーできないことになる。また、ポスティングシステムへの入札金とどう絡み合うのかは筆者にはわからないが、移籍金の上限が1000万ドルということは、やはり日本ハム球団がビッグマネーを手にできる可能性は低いのかもしれない。

また、大谷投手自身の年俸もMLB1年目はメジャーリーグの最低年俸補償額の54万5000ドル(約6000万円)に制限される。この年俸自体は大谷投手の気になるところではないだろう。大谷投手は私欲でお金を使うことはほとんどないらしく、これまでの年俸でしっかりとした蓄えもあると言う。もし本当にそうだとすれば年俸が急激に落ち込んだとしても、税金の支払いに困ることもないはずだ。あとはMLB2年目以降で稼げば良いだけの話となる。

だが問題なのは移籍1年目はマイナーリーグでしかプレーできないという点だ。この新労使協定は大谷投手対策でMLBが打った手ではなく、キューバ人選手対策として打たれた手だ。近年キューバの若い選手がMLB入りする際、キューバ政府は法外な移籍金を要求するようになっていた。だがもちろんそのキューバ人選手が投資に見合った活躍をするとは限らない。この現状を打破するために今回の新労使協定が設定された。

メジャーリーガーの辣腕エージェントであるスコット・ボラス氏はこの新労使協定に猛反対している。確かにエージェントの実入りが少なくなる可能性も憂いているのだろうが、それ以上に、確かにボラス氏の言う通り若い選手たちの可能性を摘んでしまうケースも考えられる。やはりMLB1年目はメジャーに昇格できないというルールはベストではないように感じられる。

ただ、MLBはNPBよりもはるかにフレキシブルな考え方を持っている。本当にこれが良くないとわかれば、早ければこの新労使協定も来季中には書き換えられるのではないだろうか。

仮に大谷翔平選手が1年後にメジャー移籍を決意した場合、やはり1年からメジャー昇格のチャンスだけは与えてもらいたい。実力で上がれなかったのならば誰もが納得できるが、しかし実力はあるのに昇格できないという状況だけは何とか回避してもらいたい。だからこそNPBは上述した3ヵ国に加え、日本人選手も対象外にしてもらえるように交渉しなければならない。

年俸は大谷選手の実力であれば2年目以降どうにでもなるだろう。だがボラス氏の言う通り、1年目のメジャーでの活躍のチャンスを有無を言わず奪われてしまうというのは納得し難い。NPBはこの新労使協定とポスティング入札金の上限額については、早々にMLBと話し合いの場を持つべきだろう。

もしこの新労使協定に変更が加えられず忠実に守られたとすれば、大谷選手をメジャーリーグで見られるのは早くても2019年シーズンということになってしまう。そしてもしポスティングの利用が2018年のオフにまで伸びれば、大谷選手は2020年までメジャーリーグではプレーできないということになってしまう。これはあまりにも納得し難い事実だ。

大谷選手の可能性を奪わないためにも、NPBには全力以上の力でMLBと交渉していってもらいたい。できるならば筆者は、2018年にメジャーでプレーをする大谷選手を見たいと願っているのである。





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