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2015年10月22日

監督育成ができない阪神球団の体質

logo-npb.gif阪神タイガースの2016年からの新監督が、金本知憲氏に決まった。金本選手の実績をここで改めてご紹介する必要はないだろう。プレイヤーとしてはあまりに偉大過ぎ、周囲からは「アニキ」と呼ばれ慕われていた。金本監督の誕生にはファンならば誰もが納得しているだろう。だが筆者はあえて提言をしておきたい。

提言と言っても決して、金本新監督に対してのことではない。日本のプロ野球球団に対してだ。今回は阪神タイガースの新監督として、金本監督が誕生した。だが金本監督は監督経験はもちろんのこと、コーチ経験もない。このような人材起用に対し、筆者は日本プロ野球に対しいつも疑問を抱いてしまう。

すべてをメジャーと比較するつもりはないが、メジャーの場合は現役時代は名プレイヤーだったとしても、引退後に指導者に転身した場合は必ずマイナーリーグで指導経験を積んでいく。1Aで結果を出せれば2Aへ、2Aで結果を出せれば3Aへ、そして3Aで結果を出せればいよいよメジャーリーグから指導者として招聘されることになる。

そういう意味で言えば、福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督もプロ野球での指導経験がないまま監督に就任した。しかしホークスは昨年の日本一であり、チームとしての地盤がほとんど盤石なものとなっていた。現に2015年のホークスは工藤監督の論理的指導のもと、独走状態でリーグ優勝を決めている。

だが阪神タイガースは2014年こそシーズン2位からCSを勝ち抜き日本シリーズに進出したが、リーグ戦の貯金は僅かに7つしかなく、リーグ優勝したジャイアンツの貯金21と比べると随分見劣りする。そして迎えた2015年は負け越し1つの3位であり、実質Bクラスとも言える状況だった。

阪神タイガースがこれだけの大型補強をしてきても常勝軍団になれなかったり理由はやはり、育成下手という体質にあったのではないだろうか。外部招聘を除いた近年の監督を見ると、育成された監督というのは岡田彰布監督だけだ。岡田監督は2軍監督として経験を積み、星野仙一監督の勇退に際し満を持して1軍監督に就任した。この環境と岡田監督の指導力が相まって、5年間でリーグ優勝1回、首位と僅差の2〜3位が3回と、安定した好成績を残すことができた。

しかし次代の真弓明信監督は2004年にオリックスのコーチを退任して以来、実に5年振りの現場復帰による1軍監督への就任だった。5年振りであっても過去に監督経験があるならば話も変わってくる。しかし真弓監督は監督代行経験はあっても、1・2軍の監督経験はなかった。経験不足による就任ということもあり、3年間で4位、2位、4位と振るわない成績のまま辞任となってしまった。

真弓監督の後任は先日退任したばかりの和田豊監督だったわけだが、和田監督は長年のコーチ経験はあったものの、2軍監督経験はなかった。監督生活4年間で5位、2位、2位、3位という成績だった。だが2位となった年でも貯金は6〜7つで、優勝したジャイアンツからはいずれも大差をつけられてしまった。

そして新たに誕生した金本新監督だが、野球への真摯な姿勢や人望などから、きっと素晴らしい監督になっていくのだと思う。だからこそ1〜2年結果が振るわなかったとしても、阪神球団には長期的な目で金本監督を監督として育成して行ってもらいたい。また、金本監督が1軍を担っている間に、2軍では金本監督の次の監督を時間をかけてしっかりと育成しておく必要があるだろう。

阪神球団の帝王学を代々の監督が受け継いでいけば、阪神タイガースも必ず常勝軍団になれるはずなのだ。だが過去は目先の結果ばかりを追い求め、長い目でチーム作りをしてこなかったため、なかなかチーム成績を毎年安定させることができなかった。

阪神は来季の2軍監督に掛布雅之氏を起用したが、できることならばもう少し若い、将来的に金本監督の後継者となる人物を充ててもらいたかった。もしかしたら金本監督を解任せざるをえなくなった場合の保険という意味もあるのかもしれないが、しかし阪神球団にはそんなことは考えず、今の内から金本監督の後継者育成を始めてもらいたいと筆者は考えている。

阪神球団には絶大な人気と経営体力があるのだ。あとは現場でチームを勝利に導ける能力を持つ監督を継続的に育成していくことができれば、きっと10年後にはBクラス知らずの球団へと生まれ変わっているはずだと、筆者は想像を膨らませているのである。





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