由規,育成契約

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2015年11月12日

2016年は育成選手として挑むことになった由規投手

logo-npb.gif東京ヤクルトスワローズの由規投手だが、来季2016年は育成選手として挑むことになってしまった。背番号はエースナンバーの11から121に変わってしまうが、2011年までの由規投手は、高卒プレイヤーとしては比較的順調なプロ野球人生を歩んでいた。

2007年秋に行われた高校生ドラフトでスワローズから1巡目指名されると、プロ1年目から1軍のマウンドに登り、3年目の2010年には12勝9敗という好成績を残している。そして由規投手のストレートが161km/hを計測したのもこの年だった。だが由規投手の輝きは、2011年以降はどんどん色褪せていってしまう。その一番の原因は怪我だった。

2011年は交流戦中に脇腹を痛め、9月には右肩痛を発症している。翌2012年も右肩の状態は芳しくなく、さらには左脛を剥離骨折してしまった。そして2013年4月は、ついに右肩の手術に踏み切っている。2014年は2軍で実戦復帰したものの1軍昇格はなく、今季2015年もチームはリーグ優勝を果たすも、由規投手が1軍で投げることは一度もなかった。つまり由規投手は2012年からの4年間は、一度も1軍で投げていないのだ。この現状により、今オフは育成契約への切り替えということになってしまった。

「無事是名馬」という言葉があるが、由規投手にいくら高い潜在能力あって、161km/hのストレートを投げられたとしても、やはりここまで怪我が長引いてしまうと名選手とは言えなくなってしまう。プロ野球選手は1軍で活躍してこその名選手であり、1軍で投げることができなければ、どれだけの潜在能力を持っていたとしても、それは宝の持ち腐れでしかない。

育成契約への切り替えとなり、由規投手は「急速にはこだわらない」と語っている。これはとても大切なことだと思う。ピッチャーは速いボールを投げられること自体に意味はないのだ。速いボールを投げられ、怪我なく良い結果を出し続けられるからこそ、速いボールに価値は生まれる。一方速いボールを投げられなくても、緩急自在で長年活躍し続けることができれば、例えストレートの最速が130キロ台だったとしても、名投手と呼ばれることになる。

現時点、由規投手の肩の状態は悪くはないようだ。来季は中継ぎであっても1軍で投げられるように、この秋は中1日でブルペンに入っていると言う。これだけ投げられるということは、肩に大きな不安はないということになる。あとは、過去はほとんど球速だけに頼って投げていたスタイルを、投球術で打者を抑えるスタイルにシフトチェンジしていくことができれば、潜在能力は高いのだ、来季からローテーションで投げることだって十分可能だろう。

速いボールが肩肘に与えるダメージは、野球選手やコーチが考えている以上に深刻だ。近年はアマチュア球界であっても球速ばかりがクローズアップされ、球速を出すために全力投球を続け、肩肘を痛めて投げられなくなる選手が非常に多い。野球界全体が勘違いしていることだが、ピッチャーの役割は速いボールを投げることではなく、アウトを取ることだ。速いボールを投げられるに越したことはないが、しかし速いボールを投げられなくても投球術を身につけていれば、毎年のように二桁勝利をマークすることもできる。

恐らく由規投手も今、そのことに気付き始めているのではないだろうか。由規投手はこれまで多くのエース級ピッチャーの映像を見て投球動作、投球術を見て学び、ピッチャーにとって本当に必要な技術に気付き始めているのだと思う。由規投手は来季はまだ27歳で、これから立ち直っていくことは十分に可能な年齢だ。まだまだプロ野球選手として老けこむような年齢ではない。

来季は肩の負担になるような無茶な投球はせず、140km/h前後であっても伸びのあるストレートを投げ、そして緩急を使いながら打者を翻弄することを覚えてもらいたい。もし潜在能力の高い由規投手がそんな投球術を身につけることができれば、それこそ毎年のように二桁勝利を挙げられるピッチャーへと進化していくはずだ。だがそのためにはまずは支配下登録選手に戻る必要がある。来年はオープン戦から良い結果を残し、何とか開幕前に支配下登録選手に戻れるようにと、筆者は今願っているのであった。







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