バーネット,ポスティング

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2015年11月02日

ポスティングでメジャー初マウンドを目指すバーネット投手

logo-npb.gif今季、東京ヤクルトスワローズは2001年以来のリーグ優勝を果たした。残念ながら日本シリーズではホークスに敗れてしまったわけだが、しかし財力に物を言わせる大型補強をするでもなく、育成やチーム戦術の強化によってセ・リーグを制したのは素晴らしかったと思う。

スワローズのリーグ優勝に大きく貢献した選手のひとりとして、今回はトニー・バーネット投手の名前を挙げたい。今季の活躍は言うまでもなく素晴らしいものだった。セーブ数は最終的にリーグトップの41を数えたわけだが、これまでの球団記録は37セーブだった。それをいきなり4つも上回ってみせた。

バーネット投手の最大の特徴は150km/h前後の動くストレート(ムーヴィングファストボール)と、ナックルカーヴのコンビネーションではないだろうか。基本的に打者はムーヴィングファストボールを待っていると思う。そんな時にふと投げられてくるナックルカーヴは、打者のタイミングを狂わすのに大きく役立った。そしてナックルカーヴ直後に投じられるムーヴィングファストボールは、打者からすると150km/h以上の体感であったはずだ。速いボールをさらに速く見せる投球術、これはまさに日本で磨き上げた技術ではないだろうか。

今季のバーネット投手の数字で最も注目すべきは0.90というWHIPだったと筆者は考えている。WHIPとは、1イニングあたり平均何人の走者を出すのか、という数値だ。つまり今季のバーネット投手は1イニングあたり0.9人の走者しか許さなかったということになる。

ちなみにパ・リーグのセーブ王であるホークスのデニス・サファテ投手の数値は0.63だった。1.00で素晴らしいと評価されるWHIPであるわけだが、サファテ投手の数値はまさに異次元だ。だがバーネット投手の0.90という数値も、非常に素晴らしいと評価できる数値であることに違いはない。なおセ・リーグのもうひとりのセーブ王であるタイガース呉昇桓投手は1.15という数値だった。

さて、そんなバーネット投手だがポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指しているというニュースが報じられた。実はバーネット投手とヤクルト球団との契約は今季限りで満了となる。ということは普通に考えれば契約満了を待てばバーネット投手はフリーエージェントとなり、国内外どの球団とも交渉が可能となる。にも拘わらずポスティングシステムを選んだというのは、バーネット投手が抱くヤクルト球団への恩義であるようだ。

スポーツ紙が書いているニュアンスをそのまま受け取るのならば、ポスティング入札があればメジャー移籍を目指し、入札がなければスワローズ残留が基本路線となるようだ。なおアメリカ球界から獲得された選手が、ポスティングより日本からアメリカに再移籍した例は過去にまだ一度もない。今回のポスティングが上手くいけば、日米では初の事例ということになる。

ヤクルト球団は入札金の上限を2,000万ドル(約24億円)に設定したようだ。仮にこの最高金額で入札された場合、ヤクルト球団には税金を差し引くと約半分の金額が手元に残ることになる。球団としてはバーネット投手が残留してくれることが理想であるわけだが、しかし仮にポスティング移籍となってもヤクルト球団には入札金が入るため、それを元手にバーネット投手の代役となる選手を補強をすることができる。

筆者個人としては、今回のポスティングシステムが上手く行ってくれればいいと願っている。その理由はバーネット投手がメジャー昇格を果たせないままスワローズ入りしているためだ。バーネット投手の一番の夢はやはりメジャーのマウンドに立つことだと思う。筆者個人としてはその夢を叶えてもらいたいというのが一番の願いだ。

バーネット投手流出となれば、スワローズとしては確かに大きな痛手となる。しかしヤクルト球団は以前より、選手の夢を大切にしてくれる球団だった。そして選手たちに対し家族という枠組みで接してくれている。そんな球団だからこそバーネット投手もフリーエージェントになるのを待つのではなく、ポスティングにより少しでも球団に利を残して去るという選択肢を選んだのだろう。

跡を濁して立つ鳥も多い中、バーネット投手が選んだ行動は純粋に応援をしたいという気持ちにさせてくれる。リーグ優勝も果たし、二度目のセーブ王にも輝き機も熟した今、バーネット投手には自信を持ってメジャーに再挑戦してもらいたい、そう筆者は願っているのである。





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