今江敏晃

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2016年01月13日

伊東勤監督の「欲しい選手はいなかった」発言は真実なのか?!

logo-marines.gifのサムネール画像FA移籍した今江敏晃選手の人的補償に対するプロテクト名簿がイーグルスからマリーンズに届けられ、マリーンズはその結果、人的補償ではなく金銭補償という手段を選んだ。これは1年前に成瀬善久投手がFA移籍した祭と同様の選択肢だ。

マリーンズとしては最善の選択肢を選んだのだと思う。だが2年連続で金銭補償を選ぶというのは、筆者個人としては少し解せない。確かにマリーンズは金満球団ではないし、観客動員数は12球団中ダントツの最下位だ。11位のイーグルスから20万人、10位のライオンズとは30万人放されての132万人という数字だった。観客動員数が30万人変われば、それだけで少なく見積もっても10億円以上の売り上げ差が生まれてしまう。

この実情を考えれば、金銭補償を選ばなくてはならない事情はよくわかる。だがプロ野球チームの最たる目的は勝つことだ。今時親企業の広告塔としてしかチームを見ないというスタンスは、時代遅れも甚だしい。もちろんマリーンズはそうではないと筆者は信じている。だがマリーンズは10年間優勝から遠ざかっている。2005年にヴァレンタイン監督がチームを優勝に導いて以来、その後はAクラスとBクラスを行ったり来たりしている。

確かにプロテクト枠から外れた選手によって、今江選手の穴を埋めることはほとんど不可能だ。だが単純に、プロテクトから外れた選手の中で最も優秀な選手を獲得すれば、イーグルスの選手層を少し削り取ることができる。逆にマリーンズは、ドラフトでは獲得できなかった有能な若手選手を獲得でき、2軍の層が厚くなることで競争が激化し、1軍を突きあげる状況を作りやすくなる。

もちろん今江選手に対する金銭補償1億6000万円を使い、新たに助っ人選手を呼んでくるという方法もあるだろう。1億6000万円出せばかなりの選手を呼んでくることも可能だ。だがマリーンズはすでにナバーロ選手を補強しているし、キャンプインを間近に控え、ここから更に大型補強をすることも考えにくい。

イーグルスの親会社はもちろん楽天であり、経営的には盤石の大企業だと言える。つまり球団運営で金銭的に困っている球団ではない。そして梨田新監督も金銭補償になったことに対し「良い報告」と喜んでいる。言い方は少し厳しくなるが、マリーンズの判断はイーグルスを喜ばせただけの結果に終わってしまったことになる。

今江選手という大戦力を失ったマリーンズに対し、金銭的に安定感のある楽天球団は1億6000万円を失っただけで逆に今江選手という大戦力を得た。イーグルスはハイリターンとなったが、果たしてマリーンズはどうなのだろうか。

我々一般個人からすれば、1億6000万円という金額は途方もない金額だ。しかしプロ野球チームを所有する企業からすれば、1億6000万円程度の金額で判断が揺らぐようではいけない。伊東勤監督は欲しい選手はいなかったと話しているが、果たして本音だろうか。監督として、いくら選択肢が若手選手だけとは言え、欲しい選手がいないなんてことはないはずだ。これは間違いなく監督判断ではなく、フロント判断であると筆者なら想像する。

勝利するための鉄則は、とにかく敵が嫌がることを行っていくということだ。『孫子の兵法 』にもそれは詳しく書かれている。だがマリーンズは逆にイーグルス陣営を喜ばせてしまった。筆者は何よりもこの点を危惧しているのだ。だが勝算があるからこそ金銭補償を選んだのだと筆者は信じたい。そうでなければ、日本一の応援を見せるとも言われているマリーンズファンが納得するはずがないからだ。





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