今井達也

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2018年09月09日

次世代エースとして覚醒しつつある西武今井達也投手

  • 次世代エースとしての覚醒しつつある今井達也投手
  • 一見クールでも燃えるような勝負への執念を持つ若者
  • 本塁打直後、福浦選手に同じ球種で勝負を挑んだ今井投手

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埼玉西武ライオンズ高卒2年目、今井達也投手は着実にエースへの階段を登っていると思う。今季は非常に苦しい形で1年をスタートさせなければならなかった今井投手だが、その時のことをしっかりと糧にし投げ続けられていると思う。この日はマリーンズ戦に先発したわけだが、勝利への執念を感じさせられるピッチングを見せてもらえたように思える。


初回こそ完璧な立ち上がりで三者凡退に仕留めたのだが、2回以降は苦しいピッチングが続いた。「慎重になりすぎてしまった」という本人のコメントの通り、勝たなければならないというプレッシャーがピッチングの幅を狭めてしまったのだろう。3回には上位打線に対して3つの四球を与えてしまい1点を失ってしまった。しかしピッチングそのものにはバタバタした雰囲気は感じられず、ピンチであっても堂々と投げているように見えた。

もし前半戦に同じ状況になっていたら、恐らく当時の今井投手であればガタガタと崩れてしまったのではないだろうか。だがこの試合では簡単に崩れるようなことは最後までなく、6回2失点とQSをクリアし、先発投手としての役割を十分に果たした。やはり岸孝之投手が背負った11番を譲り受けた資質は伊達ではなかったのだろう。

今井投手は4回、マリーンズの福浦選手に3シーズン振りとなるホームランを献上してしまった。力が入ったのだろう。初球、外角に抜け気味のチェンジアップを投げた後の2球目、岡田捕手のミットは外寄りに構えられていたのだが、今井投手のストレートは内角真ん中の高さに行ってしまう。これを福浦選手は迷うことなく振り抜き、通算1996本目のヒットとなるホームランをライトスタンドに叩き込んだ。

今井投手はあまり闘志を前面には出さない投手という印象を筆者は持っていたのだが、実はそうではないようだ。若者らしく滾った闘争心を持っていた。今日はそれを我々ファンに見せつけてくれた。ホームランを打たれた直後の5回表、今井投手は二死三塁二塁というピンチを背負い、4回にホームランを打たれている福浦選手を再び打席に迎えた。

初球は低めに力のあるストレート、2球目はカーブで福浦選手の目線を動かし、3球目はチェンジアップでファールを打たせ、これでカウントは1ー2となった。遅いボールを2球続けた直後、バッテリーが選んだのはセオリー通りとも言えるがストレートだった。しかもホームランを打たれたのと同じく内角へのストレート。だが内角に行ってしまったストレートと、狙って投げた内角のストレートとでは威力がまったく異なる。ややボールゾーンに投げ込まれたストレートに福浦選手のバットは空を切った。その瞬間に今井投手が見せた雄叫びをあげる姿。この姿に筆者は今井投手の勝負への執念のようなものを感じることができた。

恐らくこの雄叫びが打線に火をつけたのだろう。直後の5回裏、ライオンズは栗山巧選手、中村剛也選手のベテランコンビの活躍もあり一気に3点を奪い、試合を決めて見せた。中にはなかなか援護を受けられない主軸投手もいる中、今井投手は多くの試合で援護を受けることができている。その理由は投球テンポの良さもあるが、それ以上に今井投手の現在の野球に取り組む姿勢が認められてのことではないだろうか。内外野で守っていて、応援したくなるピッチャーというのがいるものなのだ。

この日の勝利で今井投手はようやく4勝4敗と星を五分に戻した。今季はあと何試合くらいで先発できるのだろうか。もし登板機会を与えられるのであれば6勝4敗、7勝4敗という星数でレギュラーシーズンを締めくくり、その勢いでCS、日本シリーズへと進んで行ってもらいたい。

今井投手は今季前半とは異なり、ベストピッチングできなかった日でもこの日のように試合を組み立てられるようになった。現在チーム防御率が12球団中11位というライオンズにとって、今井投手の覚醒は来季に向けても大きな希望となりうる。ライオンズが今後も毎年優勝争いから離脱しない戦いをするためには、とにかく投手陣の再整備が急務だ。特に先発投手が手薄で、多和田投手、菊池投手、榎田投手に続く3人目の先発投手がいない。しかもこのうち菊池投手は来季ライオンズには属していない可能性も高い。それを考えるとなおさら、今井投手の覚醒に大きな希望を見出そうとしてしまう筆者なのである。





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