岸孝之,楽天,FA

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2016年11月19日

楽天にFA移籍した岸孝之投手、西武は選手にとり魅力がないのか?!

  • 西武球団は毎年のように主力をFAで失うも、FAによる獲得はほとんどなし
  • 岸孝之投手も短期間で楽天イーグルスへのFA移籍を決断
  • 近年のライオンズは選手にとってそれほどまでに魅力がないのだろうか

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またもや埼玉西武ライオンズから主力選手がFA移籍することになった。楽天へのFA移籍が決まった岸孝之投手だ。西武球団はほとんど毎年のように主力選手をFAによって失っている。2010年以降だけで見ても、2010年は正捕手であった細川亨捕手、2011年は帆足和幸投手、許銘傑投手、2012年は不動の3番中島裕之選手、2013年はエース涌井秀章投手と片岡易之選手、2015年は脇谷亮太選手、そして今年は岸孝之投手。まさに主力選手の流出に歯止めがかかっていないのが現状だ。


一方ライオンズにFA加入した選手は昨オフの木村昇吾選手のみで、しかし木村選手はFA移籍というよりは、入団テストを受けての西武入りとなっている。年俸も広島カープ時代より大幅に下がっているし、純粋にFAによる獲得とは言えないし、そもそも木村選手はカープでも主力選手ではなかった。ライオンズを去っていった選手たちの格とはまったく異なる。

栗山巧選手に関しては今オフFA宣言をした上でライオンズに残留した。これをスポーツ新聞各紙は「ライオンズ愛」と表現しているが、果たして西武球団は選手のライオンズ愛についてどう考えているのだろうか。もしライオンズ愛を持った選手だけライオンズに残ってくれればいいと考えているのならば、強いチームを作る気がまったくないと判断すべきだろう。

そもそもこれだけ主力選手が流出している状況の中で、FAにより主力級の選手を一人も獲得していないというのはまったく納得がいかない状況だ。主力選手がFAによりライオンズに加わったというのは、2007年の石井一久投手まで遡らなければ見つからない。つまりもう10年前の話だ。

今回岸孝之投手がFAしたことにより、鈴木葉留彦球団本部長は「外国人投手で穴を埋める」というような発言をしたようだ。しかし西武球団が今季獲得してきた外国人投手は、ウルフ投手以外は全滅だった。ウルフ投手は筆者の予想に反し活躍したが、来季も今季同様の活躍ができるかどうかは未知数だ。西武球団は外国人投手を連れてくるのが12球団で最も下手だと言っていいだろう。それなのに岸投手の穴を外国人投手で埋めると言われても、何の説得力も感じられない。

さて、今回のFAに際し西武球団は岸投手に対し4年最大10億円という提示を行なった。一方の楽天球団は4年最大16億円という提示だった。マネーゲームはしないと言うよりは、できない西武球団であるわけだが、それにしても6億円の差には岸投手を失いなくないというフロントの熱意がまったく感じられない。

主砲の中村剛也選手は現在毎年のように怪我をしているが、年俸は4億円以上でさらにインセンティヴ付きの4年契約を結んでいる。中村選手に対してこれだけの契約をしているのに、岸投手に対しては4年10億円と、ほとんど現状維持に近い提示を行なっている。これは涌井秀章投手の時も同じだった。6億円もの差があれば、プロ野球選手であれば迷わず4年最大16億円という契約を選ぶべきだ。筆者は正直なところ、岸投手はプロ選手として正しい決断をしたと感じている。

さらに楽天球団はホークスを戦力外となった細川亨捕手を獲得している。岸投手とはライオンズ時代にバッテリーを組み、2008年にはライオンズで共に日本一になった仲だ。さらにはファイターズからFA宣言している陽岱鋼選手の獲得も目指しており、楽天球団は来季は本気で勝ちに行っている、ということがファンのみならず、岸投手にもしっかりと伝わったのだろう。だからこそ岸投手はこれほど短期間で移籍を決断したのだと思う。

確かに岸投手は東北出身で、東北の球団でプレーをするということに対し大きな魅力を感じていたとは思う。だからと言って優勝を目指せるチームでないのなら、ここまで短期間で移籍を決意することはできないだろう。もしかしたら岸投手の目に西武球団は「本当に優勝を目指す気があるのだろうか?」という風に映っていたのかもしれない。

もし西武球団に来季優勝する気があるのならば、岸投手を失った以上、ベイスターズからFA宣言した山口俊投手の獲得を本気で目指すべきだろう。そうでもしなければ、岸孝之投手の穴は外国人投手や若手投手では絶対に埋めることはできない。広島カープなどのように外国人投手を獲得するのが上手な球団ならまだしも、西武球団の外国人投手を見る目では、とても岸投手の穴を埋められる投手を獲得できるとは思えない。

果たして今後西武球団はどのようなチームビルディングを行い、本気で優勝を目指しているということをファンに対しアピールするのだろうか。松坂大輔投手、涌井秀章投手、岸孝之投手と、ライオンズのエースピッチャーが3代続けてライオンズを去ってしまっている。しかも涌井投手はマリーンズ、岸投手はイーグルス、メジャー帰りの松坂投手はホークスと、すべてパ・リーグのライバル球団への移籍だ。

チーム編成の最高責任者である鈴木葉留彦球団本部長は、これらの事実をどのように捉えているのだろうか。また、ライオンズが3年連続Bクラスに沈んでいる責任を監督やコーチだけに背負わせ、なぜ鈴木本部長は敗戦の責任と主力選手の相次ぐ流出に対する責任を取らないのだろうか。筆者はこのことにこそ、勝負の世界であるがゆえに大きな違和感を覚えてしまうのである。





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