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2016年03月12日

前回人工芝を張り替えた際には日本一になった埼玉西武ライオンズ

logo-lions.gifのサムネール画像西武プリンスドームの人工芝が8年振りに張り替えられた。ミズノ社が開発した野球専用「MS Craft Baseball Turf」という人工芝で、導入されるのは西武プリンスドームが初となる。筆者はまだ映像や写真でしかこの人工芝を見てはいないが、見た目の鮮やかさはかなり天然芝に近い色合いをしている。

筆者はプロ野球で使われている球場であれば、人工芝の色を見ただけでどの球場かすぐに見分けることができる。そしてメジャーリーグやマイナーリーグの試合も数多く見るため、天然芝の色合いもよくわかっているつもりだ。本物の天然芝の色合いと比べても、MS Craft Baseball Turfの色合いはまったく遜色ない。天然芝だと言っても、恐らくその色合いを見ただけでは十分天然芝に見えるだろう。

そして色合いだけではなく、芝の立たせ方も限りなく天然芝に近づけているらしい。従来の人工芝は、実際に触ってみると完全に人工芝の手触りで、天然芝とは程遠かった。しかしこの新たな人工芝は、本物の芝生のように最初から先端を少し湾曲させているらしい。そのため触り心地もかなり天然芝に近いようだ。

西武プリンスドームでは毎年野球以外のイベントが開催される。アーティストやアイドルのコンサートだったり、花の即売会だったり、イベントが開催されると数千人規模の人数が人工芝を踏み歩くことになる。そうなると人工芝はあっという間に踏み固められてしまい、柔軟性を失っていき、選手の足腰に大きな負荷をかけるようになってしまう。

ドーム球場で天然芝を育成することは難しい。実は西武ドームにまだ屋根がない西武球場時代、外野スタンドは天然芝だった。そのため日によっては天然芝エリアには入れない試合などもあったが、しかし晴れた日に天然芝にレジャーシートを敷いて観戦するプロ野球はまるでピクニック気分で、とても風情があった。だが屋根が張られた際、この天然芝は人工芝に張り替えられてしまった。

今季から新たな人工芝になったわけだが、気になるのはその耐久性だ。プロ野球の開催だけではそう簡単には傷まない。しかしコンサートなどのイベントが開催されたあと、この人工芝がどのようになるのかが筆者はとても気になっている。球場運営もビジネスである限り利益追求は必要で、そのためにコンサートやイベントを招致することは重要事項だ。しかしそれによってせっかくの質が高い人工芝の劣化を早めてしまってはもったいない。

さて、この新しい人工芝は天然芝に近いだけあり、打球も天然芝を転がってくるような状態になる。去年までは簡単に内野手の間を抜けていたゴロも、今季は内野ゴロで終わってしまうケースが増えるだろう。それを考えると秋山翔吾選手に、昨季と同じだけの本数のヒットを期待することは難しい。見方を変えれば昨季マークした216安打という日本記録は、劣化した西武プリンスドームの人工芝が生んだ本数だとも言える。

サーフェスがこれだけ様変わりしてしまうと、チームに求められる戦略も変わってくるだろう。投手陣はグラウンドボーラー(ゴロを打たせるタイプの投手)が有利になり、打撃面ではヒット&ランよりも送りバントの重要性が高まるはずだ。ライオンズの投手陣で言えば牧田和久投手、野上亮磨投手、バンヘッケン投手らは持ち味を十分に発揮できるのではないだろうか。

逆に反対方向へのゴロヒットが多い秋山翔吾選手、栗山巧主将らは対策を練らなければ苦しむことになるかもしれない。大きい打球を打つタイプの打者にはそれほどの影響はないと考えられるが、ミート重視の打者にとっては今季の西武プリンスドームのサーフェスは扱いが難しくなると思う。

だが栗山主将は、この新しい人工芝であれば守備でもダイナミックなプレーをしやすいと話している。左中間や右中間を抜けて行きそうな打球をダイビングキャッチするシーンを、今年は多く見られるかもしれない。

西武プリンスドームの人工芝を前回張り替えたのは2008年3月だった。アストロステージMJ(アストロ社製)という人工芝で、張り替えたこの年、ライオンズはリーグ優勝と日本一を達成している。験担ぎをするならば、今季のライオンズは実に縁起が良い。

近年懸念され続けた投手陣の整備も進み、攻撃陣の破壊力は相変わらずだ。その上怪我を気にせずプレーできる新たな人工芝を味方につけたことで、今季は久しぶりにライオンズが躍動する姿を見られるのではないだろうか。筆者は選手個々のプレーとともに、この新たな人工芝がプレーに与える影響についても観察していきたいと考えている。






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