長野久義,前田健太

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2015年12月04日

言うべきではないことを言ってしまった長野久義選手

logo-giants.gif広島東洋カープの前田健太投手が、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍することが決定的となった。だが今回の記事は前田投手についてではなく、ジャイアンツの長野久義選手についてだ。スポーツ紙のニュース記事を読んでいると長野選手のコメントとして「正直良かったです、めちゃめちゃ良い投手ですから」という言葉が、前田投手がセ・リーグからいなくなることを喜んでいるようなニュアンスで紹介されていた。これには筆者は大いにガッカリしてしまった。

もちろんスポーツ紙が書いたことであって、もしかしたらニュアンスをねじ曲げられて書かれたのかもしれない。長野選手はもしかしたら「前田投手がメジャーで活躍する姿を見られて良かったです」というニュアンスで話したのかもしれない。スポーツ紙の記事だけでそこまで深読みすることは難しいわけだが、しかしその記事のニュアンスをそのまま読み取るのであれば、「本音が漏れた」という記事内の表現通り、難敵が去るのを喜んでいるように読み取ることができる。

筆者の本音としては長野選手くらいのレベルにある打者であれば、「前田投手と勝負することができなくなり非常に残念」くらいのことを言ってもらいたかった。敵チームの戦力ダウンを喜ぶというのは、アスリートとしては恥ずべきことだ。いや、もちろんリップサービスや冗談というニュアンスで言ったのかもしれないが、しかしそうであったとしても、名門ジャイアンツの主力打者である長野選手が、上述したようなことを口にしてはいけないだろう。なぜなら敵チームの戦力ダウンを喜んでいるような姿では、子どもたちに夢を与えることはできないからだ。

今季の長野選手の年俸は2億円で、来季も1億7,500万円となっている。これだけの高額年俸選手なのだから、やはり当然のように前田投手のような素晴らしいピッチャーを打ち崩したかった、と明言してもらいたい。筆者は様々なスポーツを観戦するのが好きなのだが、野球界に関しては時々敵チームの戦力ダウンを喜ぶようなコメントを耳にする。だが他のスポーツではそのようなコメントを耳にすることは非常に少ない。例えば陸上ではライバルが欠場して勝っても「ライバルを倒して勝ったわけではないので」というニュアンスのコメントをよく耳にする。

野球はチームスポーツであるわけだが、しかしチームである以前にひとりのアスリートでなくてはならない。つまり個人技能を極限まで高める努力をし、最高のライバルに打ち勝つというパフォーマンスを披露すべきなのがトップアスリートだ。そういう意味ではプロ野球選手は他競技のアスリートと比較をすると甘いと思う。そもそも試合を終えたその足でお酒を飲みに行くなど、他競技のトップアスリートたちからすれば考えられないようなことだ。だがプロ野球界には今なおそのような選手が少なくない。

ダルビッシュ有投手はメジャー移籍を決意した理由のひとつとして、ある選手に「今日は手加減してくれよ」と冗談交じりに言われたことが大きかったとコメントしている。つまり一部では未だそのレベルにあるのが日本のプロ野球なのだ。アスリートであれば、冗談でもそのような言葉を口にしてはいけない。「俺にヒットを打たれていないからと言って手加減するなよ」と声をかけるべきなのがアスリートだ。そんな言葉から名勝負が生まれていく。だが長野選手のコメントを聞いてアドレナリンを分泌させられる選手などひとりもいないだろう。

これが1軍半の選手が残したコメントであるならば「そんなこと言っているからレギュラーになれないのだ」と言えるが、しかし長野選手は前田投手に負けないほどのスタープレイヤーだ。長野選手に憧れている子どもたちは数え切れない。だが子どもたちが今回の長野選手のコメントを耳にすれば「長野選手はマエケンが本気出したら打てないのか〜」と思ってしまうだろう。

ちなみに去年、長野選手と前田投手の対決は17打数4安打で打率.235。今季は7打数0安打だった。この数字を見てしまうと、やはり長野選手のコメントはリップサービスや冗談ではなく、本音だったのかもしれないなと、筆者は寂しくなってしまうのであった。





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