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2016年12月22日

日本ハムが契約したランディ・スミス氏はどのような人物なのか?

  • 日本ハムはシニアアドバイザーとしてランディ・スミス氏と契約を結んだ
  • ランディ・スミス氏とは一体どのような人物なのか?!
  • 日本ハム吉村浩GMとランディ・スミス氏のタッグは二度目?!

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今季日本一に輝いた北海道日本ハムファイターズが、さらなる球団改革を進めている。すでに新球場構想も明らかになっているファイターズではあるが、今度はランディ・スミス氏のGM付シニアアドバイザー兼メジャーリーグスカウティングディレクターの就任を発表した。


スミス氏はまさにGM職のエキスパートだ。現在53歳のスミス氏は、29歳だった1993年に当時メジャーリーグ史上最年少のGMに就任した。だがこの時の結果は惨憺たるものだった。93年のサンディエゴ・パドレスはナショナル・リーグ西地区で7球団中最下位、94年もナ・リーグ西地区4球団中最下位、95年は4球団中3位とチームは低迷してしまった。

ちなみにスミス氏が退任した96年からはケヴィン・タワーズ氏という、スミス氏よりも2歳年上なだけの人物がGMに就任したのだが、なんとこの年パドレスはナ・リーグ西地区で優勝を果たしたのだった。さらにその2年後にもパドレスは地区優勝を飾り、タワーズ氏はその後2009年までパドレスのGMを務めている。

その間スミス氏はどうしていたかというと、パドレスのGMを解職された翌年96年から2002年までデトロイト・タイガースのGMを務めている。残念ながらタイガースでも地区優勝どころか、ワイルドカードさえ手にすることができなかった。だがスミス氏が退任した数年後の2011年からは4年連続でタイガースは地区優勝している。しかも2012年はアメリカン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでヤンキースを相手に4戦4勝という快進撃を見せている。

スミス氏の経歴を追っていくと、優勝とは常に縁遠いところを歩いてきたという印象だ。だがスミス氏がGMを退任するとそのチームは強くなっていくというジンクスが存在している。これを、日本の野村克也監督のような存在だと見るべきだろうか。野村監督も阪神タイガース、楽天イーグルスの監督を退任した後にチームが優勝するという経験をしている。

野村監督の場合は、野村監督がチームの礎を丁寧に作ったからこそ退任後にチームが勝てるようになったとも評価されている。スミス氏も同じように見るべきだろうか。それとも戦力は揃っていたのに勝てなかったGMと見るべきなのだろうか、現時点で筆者にはわからない。

だがアメリカという国は、失敗を経験している人物を高く買う傾向がある。それは失敗を経験しているほど、その失敗から学び同じ失敗は繰り返さないと評価されるためだ。これは日本の文化とは大きく異なる。日本の場合は一度失敗をしてしまうとその後まったく声がかからなくなってしまうことが多い。失敗を経験値としては見てくれず、逆に失敗をしたというレッテルを貼られてしまうのが日本の一般的な文化だと言える。

タイガースでも優勝を経験することのできなかったスミス氏だが、タイガースのGMを退任するとすぐにパドレスが動いた。パドレスはスミス氏をタワーズGMのスペシャルアシスタントとして再びチームに迎え入れた。そして今度はファイターズがそのスミス氏を招聘した。

GMとして優勝経験がないとは言え、30球団あるメジャーリーグでは優勝経験がないGMの方がはるかに多い。その中でもスミス氏は計10年間GM職を全うし、その前はアシスタントGM、その後はGMのスペシャルアシスタントとして活躍し続けている。こうして見るとスミス氏はMLBの中でもかなり名のあるGM経験者と評価することができる。

メジャーリーグでの人脈は当然豊富であるし、スカウティングに関してもプロ中のプロだ。日本のスカウトマンのように選手の成績と長年の勘という非論理的なスカウティングを行うことはない。なぜこの選手がこのチームに必要なのか、ということを論理的に説明する高い能力を持っている。

ファイターズには吉村浩氏という非常に有能なGMの存在があるわけだが、その吉村GMをスミス氏が来季からサポートすることになる。ちなみに吉村GMは1999〜2001年までの3年間、デトロイト・タイガースでGM補佐を務めている。つまりスミス氏のアシスタントを務めていたということだ。そして今度はそのスミス氏が吉村GMのサポート役を務める。

信頼関係のあるこのふたりが再びタッグを組むことになり、ファイターズの進化は来季はさらに進むのではないだろうか。北海道に来る前、ファイターズという球団は人気も実力もない球団だった。それが北海道に移転してからは本当に目覚しい進化を遂げている。他球団に対してのモデルケースにもなれるほどだと筆者は感じている。

NPBの他球団はもっと日本ハム球団の取り組み方を観察し、時代に合った球団運営を目指していくべきだろう。もはや巨人と阪神に頼って集客するという能のないやり方は通用しないし、資金力に任せて勝利を買うやり方も通用しない。日本ハム球団のように、論理的な球団運営、論理的なスカウティング、論理的な選手補強によってチームビルディングを行なっていくべきだと筆者は考えている。

特に資金力に乏しくリーグ優勝からも遠ざかっている埼玉西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズは日本ハム球団の取り組み方を大いに参考にすべきだろう。特に西武球団の今季の選手総年俸は、日本ハム球団よりも1億円多かった。にも関わらずライオンズは4位に低迷し、ファイターズは日本一を達成している。

ちなみに選手の平均年俸は西武球団よりも日本ハム球団の方が僅かだが高い。つまり西武球団は日本ハム球団よりも戦力にならない選手を多く集めてしまったということだ。

GMとは映画で言えばプロデューサーだ。プロデューサーがすべての最終決定を下す。監督を選び、配役を決め、作曲家を選び。だからこそアカデミー賞の作品賞はプロデューサーに贈られる。プロデューサーに高い能力があれば、スーパースターをキャスティングしなくても映画をヒットさせることはできる。つまり球団もGMに高い能力があれば、資金力がなくてもファイターズのように勝てるチームを作れるということなのだ。

日本球界もそろそろそのことに気づき、もっと論理的な球団運営、もっと論理的なプロ野球界の運営を目指してもいいのではないだろうかと、筆者は常々考えているのである。





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