中嶋聡,コーチ留学,パドレス,北海道日本ハムファイターズ

トップページ > 北海道日本ハムファイターズ
2015年11月02日

引退したファイターズの将来の監督候補・中嶋聡捕手

logo-npb.gifプロ野球という厳しい世界で捕手という激務を29年間続けた、北海道日本ハムファイターズの中嶋聡捕手が今季限りで引退することになった。1軍実働29年というのは工藤公康投手に並び、日本プロ野球最長記録となる。プロ野球選手の平均選手寿命は10年にも満たない。そんな中で29年間1軍のグラウンドに立ち続けたのだから、それだけで中嶋選手の凄さがわかるというものだ。

パ・リーグオフィシャルYouTubeより

中嶋選手が高卒後プロ入りしたのは阪急ブレーブスというチームだった。のちにオリックス・ブレーブス、オリックス・ブルーウェーブとなり、現在は近鉄と合併してオリックス・バファローズとチーム名を変えている。

中嶋捕手のエピソードとして、やはり星野伸之投手との話を紹介しないわけにはいかないだろう。今となっては星野伸之コーチ自身笑い話にしているようだが、当時としてはとても笑える話ではなかったようだ。星野投手が中嶋捕手を相手に投球練習をしている際、スローカーブがすっぽ抜けてしまった。すると慌てて手を伸ばした中嶋捕手はあろうことかそのボールを右手で、つまり素手でキャッチしてしまったのだ。

これには当時の星野投手も中嶋捕手を叱ったようだ。それもそうだろう。味方エースのボールを素手でキャッチしてしまったのだから、星野投手のボールには球威がないと言っているようなものだ。しかしこれも今となっては双方にとって良い思い出となったようだ。

1997年オフ、中嶋捕手はFA権を行使した。この時捕手としてメジャー移籍を目指したが、交渉を行ったアナハイム・エンゼルスの評価がマイナー選手扱いだったため、国内残留の道を選んだ。この時西武ライオンズと日本ハムファイターズで争奪戦が行われたのだが、中嶋捕手は西武入りを決断した。

だが日本ハム球団は中嶋捕手の獲得を諦めなかった。中嶋捕手が2002年オフにトレードで横浜ベイスターズに移籍し、2003にあまり活躍の場面がなかったと知るや、金銭トレードを持ちかけたのだ。そして6年越しで日本ハムファイターズは中嶋聡捕手の獲得に成功した。

日本ハムは、中嶋捕手を正捕手として獲得したわけではなかった。阪急・オリックス時代にバッテリーを組んだ山田久志投手、佐藤義則投手、山田雄太郎投手、星野伸之投手、西武時代にバッテリーを組んだ西口文也投手、松坂大輔投手、西崎幸広投手ら。この滅多に得られない名投手たちとの経験を買った形だった。そのためファイターズ移籍後も正捕手として試合にできることは少なく、晩年は1軍バッテリーコーチ兼任として選手登録をしていた。

そして引退した今、中嶋捕手はパドレスにコーチ留学をしに行くことになった。サンディエゴ・パドレスは、ファイターズが業務提携を結んでいるメジャー球団で、そのマイナーチームで育成システムやスカウティングなどを学びに行くらしい。このことからファイターズが将来的に中嶋捕手をコーチではなく、監督候補として育成したいという姿勢が垣間見える。

ファイターズというチームは、早い段階からメジャーの育成システムを参考にし始めている。セイバーメトリクスなどを活用するためのデータルームを作ったのも、日本球界ではかなり早い方だったのではないだろうか。

中嶋捕手を監督候補として育成していくという話だが、実はファイターズは北海道に移転した2004年以降、すべて外様監督が続いている。ヒルマン監督、梨田監督、そして現職の栗山監督だ。実は日本ハムファイターズになった1974年以降、現役時代をファイターズで過ごした監督は土橋正幸監督(前身東映フライヤーズ)の1年と、大島康徳監督の3年しかないのだ。あとはすべて外様監督が指揮を執ってきた。

もちろん外様監督がダメと言うつもりはないが、しかしそろそろファイターズ出身の監督を誕生させたいというのも、球団の正直なところではないだろうか。また、栗山英樹監督の後任が中嶋聡監督ということになれば、大谷翔平投手の二刀流の継続も容認してくれるはずだ。そういう流れを作るためにも、日本ハム球団は中嶋捕手にアメリカで帝王学を学ばせるという選択肢を選んだのだろう。

将来的に中嶋聡監督が誕生するのも時間の問題だと感じられる。仮に2016年シーズン、ファイターズが今季を下回る成績となってしまった場合、栗山監督は勇退される可能性が高い。そうなれば早ければ1年後、もしかしたらファイターズ中嶋聡監督が誕生しているかもしれない。指導者歴も9年と長く、これからアメリカでさらに野球を学んでくれば、1年後には立派な監督候補となっているはずで、筆者は将来の中嶋監督誕生を想像しながら、この記事をここで締めくくりたいと思う。





日刊野球ネイションの記事はすべて筆者ことKazuが個人見解の元、すべてオリジナルで作成いたしております。無断転載はお断りしておりますので、転載・転用をご希望の方は必ずご一報くださいませ。ご協力よろしくお願いいたします。
日刊野球ネイション
Copyright(C) 2015-2016 日刊野球ネイション All Rights Reserved.