脇谷亮太,引退,片岡治大

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2018年09月19日

脇谷亮太選手の引退から再び考える現行FA制度の問題点

  • 巨人・西武で活躍した名バイプレイヤー脇谷亮太選手も引退へ
  • 人的補償として出され、FAで出戻ったのは脇谷選手が唯一
  • 現行FA制度は抜本的改革にってもっと活性化させるべき

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読売ジャイアンツの脇谷亮太選手も今季限りで現役を退くことになった。脇谷選手は決してスーター選手ではないし、常時レギュラーとして試合に出続けた選手でもなかった。しかし脇谷選手のようなバイプレイヤーは、チームが勝つためには絶対に必要なピースであり、在籍したジャイアンツ、ライオンズの両方でその持ち味をいかんなく発揮した現役生活だった。


さて、筆者は脇谷選手の話題になると必ず考えてしまうのが現行FA制度の問題点についてだ。現行のFA制度は日本独特のシステムであり、メジャーリーグのFA制度とは似て非なるものだ。そして筆者には非常に印象に残っている言葉がある。「今まで罪悪感があった。申し訳ない気持ちがあったので、脇谷選手が巨人に帰って来てくれて嬉しい」という、片岡治大選手の言葉だ。NPBは果たして選手にこのような言葉を言わせてしまっていいのだろうか。

2013年オフ、片岡選手はFA宣言をしてライオンズからジャイアンツに移籍した。その際、人的補償としてジャイアンツからライオンズに移籍させられてしまったのが脇谷選手だった。誰しも思っていることだとは思うが、この人的補償システムが現行のFA制度が活性化しない最大の元凶になっていると筆者も考えている。

人的補償による移籍から2年後、脇谷選手は2015年オフにFA宣言をし、ライオンズからジャイアンツに復帰した。人的補償で出された選手がFAで元のチームに戻ったのは今現在、脇谷選手が球史唯一の存在となっている。

日本のFA制度はやはり抜本的な改革が必要だと思う。FAがもっと活性化すれば、他チームで出場機会を得て活躍できる選手が今まで以上に増えるはずだ。また、結果それでダメだったとしても、悔いなくユニフォームを脱げるようになるのではないだろうか。

メジャーの場合はFA権を取得するには6シーズン分の選手登録期間が必要となる。これが日本の場合は8シーズンとなり、仮に高卒1年目から1軍でプレーし続けたとしても、FA権を行使できるのは27歳のシーズンとなる。大卒であれば31歳のシーズンだ。これではFA市場が活性化するはずがない。

メジャーではFA補償として、ドラフト指名権の譲渡などが行われている。日本も人的補償は撤廃し、金銭やドラフト指名権の譲渡のみを補償とすべきだと筆者は考えている。そうでなければ片岡選手のように、長い間罪悪感を抱えたままプレーをする選手が今後も出ることになってしまう。そしてその罪悪感を嫌い、FA権を行使したくでもできない選手もこれまで多くいたはずだ。

例えばこのようなやり方はどうだろうか。入団時に提示される契約金を受け取らなかった場合、FA権取得までの期間を6シーズン分に短縮するというのは。ドラフト1位の場合、契約金は1億円を超えることが普通となっている。この契約金の存在がなければ、球団がルーキーに支払う年俸はせいぜい1,500万円程度となる。

その後選手が活躍してFA権を取得した際、チームを出て欲しくなければ球団側も今まで以上に努力をするようになるはずだ。しかし現行制度では選手が積極的にFA権を行使したがらないため、球団はそれほど努力をしなくても選手を囲い込むことができてしまう。この状況は球界にとっても選手にとっても決してプラスとは言えない。

選手がせっかく取得したFA権を最善の形で行使しやすい状況を、NPBはもっと作らなければならないと思う。プロ野球は選手が活きなければ魅力が半減してしまう。だからこそスター選手以外もしっかり活かせるような仕組み作りを目指していかなければ、プロ野球というコンテンツは今後ますます魅力を失ってしまうのではないだろうか。

だからこそ選手がFA権の行使を考える度に罪悪感を覚えてしまう現行制度は、1日でも早く改善していかなければならないと筆者は考えているのである。





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