石井一久,GM

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2018年09月15日

石井一久GMが持つ、GMとしての1つの大きな欠点とは?!

  • 石井一久氏をGMとして招聘した楽天イーグルス!
  • GM職は石井一久氏のかねてからの夢だった!
  • GMとしては1つ大きな弱点を持つ石井一久氏!

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2018年8月、東北楽天ゴールデンイーグルスは石井一久氏のGM就任を発表した。石井氏はかねてよりスポーツチームのGMになることを将来の夢として語っていたため、今回はその夢が叶ったという形になるのだろう。果たして石井氏のGM就任はイーグルスを立て直す良いきっかけとなるのだろうか。それともさらなる迷走を招いてしまうのだろうか。今はまだどちらとも言えない。なぜなら石井氏のGMとしての手腕がまったくの未知数だからだ。


石井氏の選手としての経歴を詳しく話す必要はないだろう。スワローズ、メジャーリーグ、ライオンズで常時主力投手として投げ続けた名投手だ。日米通算182勝という数字は、かつてライオンズでチームメイトだった西口文也投手の勝ち星と同じだ。ちなみに筆者が最も忘れられない一戦は、1997年の日本シリーズ初戦、スワローズのユニフォームを着てライオンズの西口文也投手と繰り広げた投手戦だ。最終的には西口投手が伏兵とも呼べたテータム選手のソロホームランに泣き、石井投手が1−0で完封勝利を収めている。だが西口投手も1失点完投という、まさに日本シリーズの舞台を象徴するような好ゲームだった。その後2008年、石井投手と西口投手はライオンズで同じユニフォームを着て、同じ182勝でふたりはそれぞれ現役生活にピリオドを打った。

さて、石井氏は将来GMをやりたいと語っていた際、大学に通って経済学やスポーツマネジメントを学びたいとも語っていた。果たしてこれが実現されたのかどうかは筆者にはわからない。もしかしたらスポーツニュースで報道されていないだけで、夢を実現させるために通っていたのかもしれない。だが真実は石井氏が自ら語るまではなんとも言えない。しかし仮に通っていなかったとしても、おそらく通うための下準備となる勉強はされていたのではないだろうか。もしそうでなければ、楽天球団も石井氏をGMとして招聘することはなかっただろう。

筆者もスポーツマネジメントに関する勉強は一通りしている。もちろん大学に通って学位を取得したわけではないのだが、少なくともGM職の難しさは十分理解しているつもりだ。GMがまずできなくてはならないことは、与えられた資金を上手く使うことと、優位に交渉を進めていく作業だ。例えば交渉力がなければ金銭トレードにしても契約更改にしても、必要以上の出費を強いられてしまうことになる。

数字という意味では、金銭面だけではなく選手のデータも読めなくてならない。例えば有名どころで言えばセイバーメトリクスや統計学といった類のものだ。これらをパッと見てパッと理解し、瞬時に判断を下せる能力がなければ、GMとしてチームを最適な形で構築することは難しくなる。もしくは数字を熟知した右腕を雇うという手もある。

ただ日本球界の場合はフリーエージェントの争奪戦がほとんどない。そういう意味ではアメリカほど交渉能力の高さは問われないのかもしれない。ちなみにGMというのは、球団に於いては球団社長に次ぐ存在だと言える。球団社長がGMを雇い、GMが与えられたバジェット(予算)の中で監督や選手を雇い、勝てるチームを作っていく。つまりチームが勝てなかったという結果の責任はGMがすべてを背負うことになる。

日本球界の場合はGMという立場の人間は非常に少なく、球団本部長という肩書きであることが多い。役割としてはGMと球団本部長というのはほとんど同じなのだが、違うのは契約形態だ。球団本部長というのは球団という会社の役員や正社員であるケースが多い。そのためチームが負け続けても球団本部長が解雇されるケースはほとんどない。責任はすべてチームを勝たせられなかった監督と、活躍できなかった選手に置かれてしまう。つまり歪なのだ。監督や選手を連れて来たのは球団本部長であっても、球団本部長は敗戦の責をまったく負わないことがほとんどとなる。このために監督就任に前向きにならない監督候補も多いほどだ。

一方GMというのは正社員ではなく、選手同様1年契約や、複数年契約であることがほとんどとなる。つまりチームの成績が悪くて真っ先に責を問われるのがGMなのだ。メジャーリーグの場合、チームが不振に陥ると監督や選手を解雇するのではなく、GMを代えてチームを立て直そうとするケースも多い。例えば昔ながらの考え方のGMでは勝てなかったのが、データに強いGMに代えただけでチームが突如勝てるようになったケースもある。しかも低予算で。もしGMという職業をもっと知りたいという方は、映画『マネーボール』をご覧になってみると良いと思う。

石井一久氏には、GMとして是非ともイーグルスの立て直しに成功してもらいたいと思う。しかし石井氏にはGMとして1つ大きな欠点がある。それは周囲の人間と仲良くすることのできる社交性だ。もちろん社交性は本来ポジティブなものではあるのだが、GMは絶対に選手たちと親しくなってはいけない。石井氏はもうすでに球場に足を運んでチームと交流をしているようだが、この作業はGMならすべきではないと筆者は個人的にはだが考えている。

その理由は選手と必要以上に親しくなってしまうと、GMとして不良債権化してしまった選手を、情が生まれることにより簡単に解雇できなくなってしまうからだ。つまり温情派の人間には本来GM職というのは向いていないと言うことができる。必要な選手は最善の形でしっかりと獲得し、必要ではない選手は私情を挟むことなく解雇したり、その選手の価値を利用して他の選手を獲得して来られるというドライさがなければ、GMという職は勤まらないだろう。

石井一久GMにどれほどGMとしての能力があるのかは未知数だ。だが自らの夢を叶えたからにはこの職を楽しむのではなく、本物のGMとしてイーグルスを常勝チームとしてのリビルディングを成功させてもらいたい。今オフの石井GMの手腕次第では、イーグルスが来季優勝争いに加わることもまったく不可能ではない。今季からの巻き返しを図るためにも、石井一久GMの手腕が問われる今冬となるはずだ。そしてその最初の大仕事は、岩隈久志投手の獲得ということになるのだろうか。





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