オコエ瑠偉

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2016年01月24日

オコエ瑠偉選手は高卒1年目からレギュラーになれるか否か

logo-eagles.gifのサムネール画像今季のイーグルスで最も注目すべき選手の一人としてまず名前を挙げるとすれば、それはやはりオコエ瑠偉選手ではないだろうか。関東一高からドラフト1位で入団した高卒ルーキーだ。1年目から活躍すると太鼓判を押す評論家も多い。近年、高卒ルーキーの野手が活躍する例は増えてきた。純粋に野手ではないとは言え、大谷翔平投手や森友哉捕手は、高卒1年目から打者として多少の活躍を見せている。

オコエ選手も1年目から活躍できるかと問われれば、筆者には「活躍する」とは言い切れない。上述した大谷投手や森捕手にしても、主力級の活躍をしたとは言い難い。ちなみに松井秀喜選手でさえもルーキーイヤーは57試合で.223という成績だった。高卒1年から主力として抜群の成績を残した野手の名を挙げるとすれば、恐らく清原和博選手にまで遡る必要があるのではないだろうか。

確かにちょこちょこと活躍した高卒野手はいた。バファローズの駿太選手や、ライオンズの炭谷銀仁朗捕手などだ。だが1年間主力として活躍したかと言えばそうではない。試合数で言えば立浪和義選手は高卒1年目から110試合に出場したが、打率は,223で終えている。ただ盗塁22というのは素晴らしい数字だ。だが清原選手の126試合、打率.304、本塁打31という数字には遠く及ばない。ではなぜ高卒野手はなかなか活躍することができないのか?

その答えは単純だ。プロの投手が投げるレベルの変化球は、高校野球ではまず体感することができないからだ。球速だけで言えば近年の高校生はプロレベルのストレートを投げる。だが速いストレートだけで勝てるほどプロ野球は甘くはない。投手の場合は100%自分本位でプレーができるため、とにかく自分自身のパフォーマンスさえ上げられればプロ1年目からでも活躍することはできる。だが野手の場合は、投手が投げるボールあってこそのバッティングとなり、プロレベルの変化球はプロのレギュラーシーズンに入らなければ決して体感することはできない。

オコエ選手の場合は抜群の走力と強肩がある。そういう意味ではプロ1年から守備固めや代走要因として活躍することはできるだろう。だが打撃に関しては難しいと思う。例えば高卒1年目から3年連続二桁勝利を挙げている藤浪晋太郎投手、彼のボールを高校時代に毎日受けていたのはライオンズの森友哉捕手だ。つまり森捕手は、プロレベルにあった1学年上の先輩投手のボールを毎日受けていたことにより、高校時代からプロレベルのボールに触れ続けていた。そのために森捕手は1年目から出場試合数は少ないものの、チームを救うような活躍を打撃で見せることができた。

しかしオコエ選手に関しては森捕手のような経験はない。プロのボールは、プロに入ってから初めて体感していくはずだ。打撃に関してのみ言えば、当面は恐らくファームでも苦労するのではないだろうか。だがオコエ選手の身体能力は群を抜いている。例えば昼はファーム、夜は1軍の試合に出るなど場数を踏んでいけば、オールスター明けくらいにはもしかしたらプロのボールに慣れてしまうかもしれない。

オコエ選手はスター性・将来性のある選手だ。数年後にはイーグルスの顔となるべき選手であり、将来的には日本代表チームで活躍して欲しい選手だ。だからこそ周囲は1年目からあまり結果を追い求めることなく、長い目で見てあげて欲しい。高卒2〜3年目からレギューラーになれるだけでも、十分素晴らしいことなのだ。

オコエ選手には新人王を獲得してもらいたいが、しかしそれは今季じゃなくてもいいと思う。新人王の資格は入団5年目まであり、野手ならば通算60打席以内で翌年の新人王資格を保持することができる。注目度だけを見れば60打席など今季中に与えられてしまいそうだが、しかし今季はファームでじっくりと育成し、来季本気で新人王を狙わせる、という方法も悪くはないと思う。だがこれは梨田新監督の意向次第ということになるだろう。

いずれにしてもオコエ選手は将来、イーグルスの主力になるはずだ。チームが2年連続で最下位に沈んでいる状況から、高卒ルーキーにはそう簡単にはチャンスは与えられないと思う。1軍でチャンスを与えられるのは上位進出を確かなものとするため、即戦力と呼ばれる選手が中心となるはずだ。ということは例えオコエ選手を今季1軍で使わなかったとしても、文句を言う人間はいないということになる。

だからこそ筆者はファームでちょっとやそっとの活躍を見せたくらいで、オコエ選手を慌てて1軍に呼び寄せることは避けて欲しいと考えているのだ。ファームでリーグ屈指の打撃成績を残していない限りは、1年目に関してはぜひじっくりと下で育成してあげて欲しい。それこそがオコエ選手の将来にとって何よりもプラスになると筆者は信じているからである。





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