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2016年12月21日

落合博満GM最大の失策は、GMとしても俺流を貫いたこと

  • 落合博満GMは2017年1月の任期満了に伴い退任
  • なぜ落合GMはGMとして成功できなかったのか?!
  • その理由は監督時代から変わらず俺流を貫いたから?!

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中日ドラゴンズの落合博満GMが契約満了に伴い、2017年1月に退任することになった。落合GMに対しては内外から賛否両論あったわけだが、チームが低迷してしまったという意味ではGMとして役目は果たせなかった評価すべきだろう。プロ野球の世界は結果がすべてだ。任期中のドラゴンズが4位、5位、6位と年々順位を下げたことを踏まえれば、落合GMにはGMとしての能力は今の段階では備わっていなかったということだ。


中日球団は落合GM退任後には、新たなGMは置かないという方針であるようだ。球団は森繁和新監督のことを、故根本陸夫の愛弟子として高く評価している。もしかしたら中日球団は森監督に対し、故根本陸夫のようなGM兼任監督になってもらいたいと考えているのかもしれない。だが現代のプロ野球に於いてこのやり方は時代に逆行していると筆者は考えている。

故根本陸夫という野球人のことを、筆者もとても尊敬している。再びこのようなパワフルな人物が誕生してくれれば、球界はさらに盛り上がるのではないかとも思う。だが根本監督が行なっていたことを現代でそのままやることはできない。なぜならば根本監督がGM的な職に就いている時に行なっていたことのいくつかは、現代ではルール違反になってしまうからだ。

だがそれを差し引いたとしても、根本監督と同じようなやり方はルールを破らなかったとしても現代では通用しないだろう。つまりGM兼任監督というのは現代では通用しないということだ。GMという職だけでも重労働だし、監督という職だけでも重労働なのだ。

近年は古田敦也選手兼任監督、谷繁元信選手兼任監督というふたりの選手兼任監督が誕生しているが、選手兼任監督時代は選手としても監督としてもふたりは好成績を残すことができなかった。90年代ならば根本監督のようなGM兼任監督や、選手兼任監督ももしかしたら通用していたかもしれない。だが現代ではまず通用しないだろう。

その理由は2000年代に入ってからは各分野のスペシャリストたちが球界で活躍するようになったからだ。外国人選手獲得のスペシャリスト、データ分析のスペシャリスト、球団経営のスペシャリスト、ジェネラルマネジメント分野のスペシャリスト(GM)、さらに言えばチアトレーニングのスペシャリストやスタジアムDJのスペシャリストもプロ野球を支えているポジションだと言える。

このように各分野スペシャリストが活躍するようになった現代のプロ野球界に於いて、複数の職務を兼任したとしても中途半端になってしまうだけだと筆者は考えている。だからこそ筆者は一部報道にあるように、森繁和監督に将来的にGMとしての権限を与えることには賛成できないのである。森監督は素晴らしい指導者であり、きっと監督としても素晴らしい結果をファンに示してくれると思う。だが現代の監督という職務は、他の職務と兼任できるほど甘いものではない。

まだプロ野球そのものが発展途上だった90年代よりも昔であれば、まだ兼任監督なども通用していた可能性はある。事実選手兼任監督として結果を残した人物は複数いるし、根本監督のようにGM職を兼務してチームの礎作りに成功した人物もいる。古き良き時代と表現すべきだろうか、この時代は良くも悪くも目新しいことの数々が成功していた。

中日球団は落合GM退任後は新任を置かない方針であるようだが、これは時代に逆行しているのではないだろうか。これだけチームが低迷してしまっているのだから、もっと有能なGMを見つけ出し、その人物にチームのリビルディングを任せるべきだろう。

落合GMはドラフトで高校生をほとんど獲得しなかったため、現在のドラゴンズには伸び代のある選手が少なくなってしまった。だが逆に環境を変えれば活躍しそうな元即戦力選手は豊富にいる。論理的にチームを見直せる人物にGM職を任せることにより、トレードなどで元即戦力選手たちを放出し、伸び代のある若い選手を増やすことも必要だろう。そしてファームに若い伸び代のある選手たちが増えれば、コーチ陣のモチベーションもまた上がってくる。

ここ数年のドラゴンズはチーム内の不協和音が途絶えなかった。そしてドラゴンズをスポンサーとして支えている地元企業との関係も良好ではなかった。落合監督が結果を残しながらも監督を退任された際も「落合野球は勝っているけどつまらない」と地元企業に酷評された経緯がある。その火種がまだくすぶっていたが故に、落合GMへの風当たりが必要以上に強まってしまったのだろう。

落合GMが成功しなかった理由を、筆者は直感型GMだったからだと考えている。監督という職業に関しては確かに瞬時の判断を求められるため、直感が鋭くなければ成功することはできない。落合監督は直感が鋭かったために監督としては大きな成功を収めることができた。

しかしGMという職業には理論が伴わなければならない。なぜこのようなチームを作ったのか?なぜこの選手を獲得したのか?なぜこの選手を放出したのか?という疑問に対し、すべて明確に回答することができる人物でなければGMとして成功することはできない。

例えば北海道日本ハムファイターズの吉村浩GMはそれらの質問に対しすべて明確に回答することができ、その回答を聞いて納得できないことはまずないという話をよく耳にする。だからこそフロントも現場も吉村GMに対し絶大な信頼を寄せており、その信頼関係が今季の日本一という結果を生み出した。

一方落合GMの場合は監督時代から変わらず俺流を貫いてしまった。俺流で説明されても周囲は理解できないし、結果を出していない上に話している内容が理解できない人物を人々は信頼することはできない。特にフロントスタッフは落合GMの俺流の説明を理解することはできなかったはずだ。そのためにGMとフロントスタッフの間にあった溝が深まってしまい、修正することができないところまで行ってしまった。

一般的には非論理的となってしまう俺流を貫いたことが、落合GMの最大の失策だったと筆者は考えている。中日球団は球団史上初のGM選びで失敗してしまったわけだが、これに懲りることなく、将来的には有能なGMを招聘して大崩れすることのない現代的なチーム作りを目指してもらいたいと筆者は一野球ファンとして願っているのである。





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