杉山翔大,桂依央利

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2016年04月03日

中日投手陣崩壊の原因は若い捕手を起用せざるをえない状況にある

logo-dragons.gifのサムネール画像かつては強力な投手力を誇っていたドラゴンズだが、今季開幕後は投手陣の崩壊に苦しんでいる。チーム防御率は5.29と低迷し、12球団ではバファローズの5.97に次いで悪い数字となっている。防御率が5.29ということは、打線が5点取っても勝てないという計算だ。

その打線は1試合平均3.7点にとどまり、防御率から見れば勝つためには2点足りない。谷繁元信監督の言葉通り、投打ともにチグハグな状況となっている。ただし打線に関しては状態はそれほど悪くはないように見える。1試合平均2.5点しか取れていないベイスターズと比較をしても点は取れているし、4.6点を取っているジャイアンツとも1点以上は離れていない。

つまり打線に関しては勝てないために不調のように見えるし、投手陣が先制されてしまうために攻撃が後手後手になってはいるが、それほど悪い状態ではないのだ。しかし投手陣が絶不調のため、そこそこ点を取った試合でも勝つことができずにいる。果たしてこの原因は何なのだろうか。筆者が考えるに、それは捕手の存在感に原因があるのではないだろうか。

今季のドラゴンズは杉山翔大捕手と桂依央利捕手を併用している。学年では杉山捕手が1つ上だが、ふたりとも今年25歳という若い捕手だ。大卒3〜4年目であり、プロとしての経験値は非常に少ない。このように若い捕手を併用しなければならない状況から見ても、谷繁捕手が引退してしまったことにより、投手陣を牽引できる捕手の存在がまったくなくなってしまったと言える。

ドラゴンズが勝っていた頃は、谷繁捕手の好リードで投手が活躍するケースも多かった。それにより投手陣は谷繁捕手に対し絶対的な信頼を寄せ、谷繁捕手のリードで安心して投げることができていた。だが今は違う。中堅やベテランも多い投手陣は、逆に若い捕手ふたりを引っ張っていかなければならない。ふたりの配球に対し疑問を感じることだってあるだろう。つまり投手陣と捕手陣との信頼関係がまだ形成されていないように、筆者の目には写っているのだ。

捕手というポジションは1年や2年で育成できるものではない。そのため杉山捕手と桂捕手が一流の捕手になるためには、まだまだ時間がかかる。両捕手とも打撃では光るものを見せているが、杉山捕手は守備面での評価はまだ芳しくはなく、桂捕手に関しては昨季は47試合の出場だったにもかかわらずリーグワースト2位のパスボールを記録し、投手陣の信頼を失ってしまった。

ドラゴンズが今後立ち直るためには、経験値のあるベテラン捕手の補強が急務ではないだろうか。今季のような将来を予測して2年前に武山真吾捕手をトレードで獲得してはいるのだが、しかし武山捕手は正捕手としての経験値はそれほどはなかった。それもありFA戦線ではライオンズの炭谷銀仁朗捕手の獲得を目指したが、炭谷捕手は結局一昨年も去年もFA宣言はしなかった。

ドラゴンズはライオンズとのトレードに関するパイプが強い。そう考えるとライオンズには星孝典捕手という存在があり、星捕手はなかなか1軍の出場機会には恵まれていない。さらには上本達之捕手も近年出番は激減している。ふたりとも正捕手として経験は決して多いとは言えないが、しかしバックアップのベテラン捕手としては十分な経験を持っている。

ライオンズの場合は炭谷銀仁朗捕手が絶対的な正捕手として君臨しているし、二番手も岡田雅利捕手が務め、さらに将来的には森友哉捕手という大きな存在もある。ライオンズは伊東勤捕手が衰えを見せた頃から、正捕手に困ったことがほとんどない。伊東捕手が衰えてくると細川亨捕手、野田浩輔捕手、炭谷銀仁朗捕手らがどんどん頭角を現し、高木大成捕手、和田一浩捕手、貝塚政秀捕手らを野手にコンバートする余裕さえもあった。付け加えておけばFAで獲得した中嶋聡捕手の存在も大きかった。

ドラゴンズは見るからに捕手の捕手力が低い。もちろん将来的には杉山捕手と桂捕手を一人前に育て上げなければならないわけだが、チーム状況を考えれば事はのんびり構えてはいられない。この若きふたりに現役選手として経験を伝えていける捕手の存在が必要だ。やはり現役捕手と、選手兼任だったとは言え監督とでは選手からすれば存在感がまるで異なる。監督の存在とはそれほど絶大なものだ。

若き捕手たちと谷繁監督との間を取りなせるような、コーチではなく、もっと選手寄りの兄貴分がドラゴンズには必要なように筆者には感じられる。だからこそ1軍経験が豊富で、出場機会に飢えている上本捕手や星捕手の獲得を目指すのもいいのではないかと筆者は考えているのである。






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