岩瀬仁紀,福谷浩司

トップページ > 中日ドラゴンズ
2015年11月28日

福谷浩司投手は岩瀬投手の復活を待っていてはいけない

logo-npb.gif落合博満監督時代に常勝軍団と化したはずの中日ドラゴンズだが、落合監督の退任後は年々順位を落として行っている。今季も最下位のベイスターズとわずか1.5ゲーム差の5位で、4位カープとは6.5ゲーム差も開き、CS進出へのチャンスも早々に失ってしまった。やはりドラゴンズには大きな世代交代の波が押し寄せているのだろう。

今季を限り、これまでドラゴンズの屋台骨を支えていた山本昌投手、谷繁元信捕手、和田一浩選手が現役を退き、さらには経験豊富な小笠原道大選手もユニフォームを脱いでしまった。スター選手がこれだけ同時に引退してしまうというケースも稀ではないだろうか。そんな中、大ベテランが1人来季に向けて走り出している。岩瀬仁紀投手だ。

岩瀬投手は来年42歳となるわけだが、現役を続行することがすでに決まっている。ここ1〜2年のドラゴンズの低迷は、やはり岩瀬投手の不在が大きく響いているように見える。9回に失っている点を数えてみても、ドラゴンズはセ・リーグワーストタイの45失点だ。8回に関しては79失点で単独リーグワーストとなっている。やはり終盤にこれだけ点を取られてしまっては、先制してもなかなか逃げ切ることはできない。

今季ドラゴンズでもっとをセーブを挙げた投手は福谷浩司投手の19セーブだが、防御率を見ると4.05で、とても岩瀬投手の穴を埋められているとは言えない。昨季に関してはセットアッパーとして32ホールド、11セーブ、防御率は1.81という素晴らしい成績を残したわけだが、しかし今季9回を任されると、その実力を発揮することはできなかった。やはりその原因は制球力にあるのだろう。

全盛期、46セーブでシーズン最多セーブ日本記録をマークした2005年の岩瀬投手の与四球率は1.25だった。一方今季の福谷投手の与四球率は4.50となっている。やはり9回を任される投手の与四球率が4点代というのはチームとしては苦しい。谷繁監督や森投手コーチ、友利投手コーチもかなり頭を悩ませたはずだ。

だが現役時代のデニー友利投手を思い出してもらいたい。横浜ベイスターズ時代、デニー投手はとにかく制球力が悪く1軍に定着することができずにいた。だが当時西武ライオンズの監督だった東尾修監督が2軍でくすぶっているデニー投手に目をつけ、トレードによってライオンズに呼び寄せた。そこで東尾監督がデニー投手に送ったアドバイスは「お前はど真ん中だけを狙って投げていれば程よく左右に散らばるから、真ん中だけ狙って投げろ」という言葉だった。

その言葉によりデニー投手は覚醒し、西武時代は不動のセットアッパーとしての地位を築き上げた。ただ残念だったのは、2002年に東尾監督の後任となった伊原春樹監督と反りが合わず、その年は僅か3試合にしか登板させてもらえず、日本シリーズの出場選手名簿からも外され、その年を限りに再びトレードでベイスターズに復帰してしまったことだ。

その話はさておき、友利投手コーチは自らが制球難を克服した経験を持つ。そして同じくリリーバーというポジションだ。ドラゴンズがチームを立て直すためには、やはり次世代の守護神育成が急務だと言える。その先鋒が福谷投手であり、その福谷投手を守護神として独り立ちさせることが、友利コーチの最大の職務だと言えるだろう。

もはや岩瀬投手だけに頼るわけにはいかない。岩瀬投手自身、今季は肘痛によりプロ入り初の1軍登板0で終えてしまった。来季も芳しい成績を挙げられないようであれば、引退の覚悟もしているはずだ。やはり理想としては来季は福谷投手が守護神を務め、岩瀬投手はセットアッパーとしてブルペンに控え、そこで岩瀬投手が福谷投手に徹底して守護神の教えを説くことではないだろうか。

岩瀬投手は日本一とも呼べる、球界を代表する守護神だ。その守護神が現役であるうちに、福谷投手は盗める技術はすべて盗まなければならない。そして世代交代を選手達自らが成功させていかなければ、ドラゴンズの再浮上は今後も難しくなるだろう。ドラゴンズは岩瀬投手の復活を待っていてはいけない。功労者である岩瀬投手には、来季は少し楽な場面で投げさせてあげられるくらいのチームになっていけなければ、来季もBクラスに甘んじることになるだろう。

だがそうならないためにも友利コーチには徹底して福谷投手を鍛え上げてもらい、岩瀬投手には伝えられることをすべて福谷投手に伝えてあげて欲しい。ドラゴンズは岩瀬仁紀という財産を出来得る限り最大限活かしていき、最高の守護神を生み続けるための伝統をここから築き上げていって欲しいと、筆者は期待しているのである。





日刊野球ネイションの記事はすべて筆者ことKazuが個人見解の元、すべてオリジナルで作成いたしております。無断転載はお断りしておりますので、転載・転用をご希望の方は必ずご一報くださいませ。ご協力よろしくお願いいたします。
日刊野球ネイション
Copyright(C) 2015-2016 日刊野球ネイション All Rights Reserved.