ラミレス監督,配球,サイン

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2016年02月14日

ラミレス監督が打ち出したベンチから配球サインを出す利点

logo-baystars.gifのサムネール画像横浜DeNAベイスターズのラミレス新監督が、投手への配球サインはベンチから出すという方針を打ち出した。これは非常に面白い取り組みだと思う。メジャーリーグでは一般的になっているこの手法だが、日本に於いてはほとんど皆無と言っていいだろう。日本では捕手こそがグラウンド上の監督と呼ばれ、捕手はまさに司令塔として投手や野手陣を牽引していく役目を担っている。

とにかくやらなければならないことが多く、捕手はなかなか育たない。日本に於いての捕手としての能力は練習だけでは磨くことはできず、場数を踏むことが何よりも重要だ。だが場数を踏ませられる選手には限りがある。勝つためには正捕手を中心として起用する必要があり、首位として独走態勢にあるか、ダントツの最下位に沈んでいるかしなければ、若手捕手に修行の場を与えることは難しい。

そういう意味ではベンチから配球のサインを出すことにより、捕手の配球技術を手っ取り早く高めていくことのできるラミレス監督のこの手法は、とても有効であると考えられる。確かにこれでは捕手を育てられないという意見もあるかもしれない。だが永久的に配球サインをベンチから出すということは恐らくはないだろう。まずはベンチからサインを出し、チームとしての打者の攻め方を示し、それを捕手陣に理解させる。そして理解させた上で少しずつ捕手にリードを任せていく、というやり方になるのではないだろうか。最初から捕手に任せ、失敗すると捕手が怒鳴られるという構図よりは、はるかに選手からの信頼を得られるやり方だと思う。

ラミレス監督も日本野球の経験が長いだけあり、司令塔として素晴らしい能力を持った名捕手たちを多く見てきたはずだ。古田敦也捕手、阿部慎之助捕手、谷繁元信捕手などなど。だがベイスターズには現在、彼らのような名捕手の存在はない。だからこそのんびりと起用し続けて育つのを待つのではなく、積極的に育成していく手法を取ったのだろう。監督就任1年目から周囲を納得させられる結果を残すためにも、積極的な育成は欠かすことはできない。緻密な野球理論を持つラミレス監督らしい手法ではないだろうか。

弱いチームの捕手というのは、困った時には外角低めというワンパターンになりやすい。外角低めに投げさせておけばなんとかなる、とでも言っているかのように。だが外角低めというのは、内角高めを見せてこその外角低めだ。つまり極端な話、すべてのボールを外角低めに投げさせたとしても当然だが打者を打ち取ることはできない。内角高めを見せ、外角低めをより遠くに感じさせてこそ、外角低めの効力が発揮されるのだ。

だが内角高めに投げるというのは投手からすれば非常に難しいことだ。多くの並の捕手であれば投手が首を横に振れば、無理して内角高めに投げさせることはしないだろう。だがそのサインが監督からだったらどうだろうか。投手はそのサインに首を横に振ることは決して許されない。つまり監督サインとして内角高めを多く要求するということは、投手が内角高めに投げる技術を磨くことにもなり、さらには今後捕手が内角高めを要求しやすい環境を作ることにもなるのだ。まさに一石二鳥だ。

ラミレス監督は決して捕手を信用していないからサインを出すのではない。あくまでもバッテリーを積極的に育成していくためにベンチからサインを出していくのである。我々ファンはそこを勘違いしてはいけない。配球サインをベンチから出したとしても、それによって捕手が育たなくなるというのは勘違いであると言える。

これがメジャーリーグの捕手のように、強打と強肩が主に求められる状況であれば話は別だ。だが日本にはメジャーリーガーばりの強肩を持つ捕手も、タイトル争いに加わるような強打の捕手もほとんどいない。となればやはり投手の能力を引き出したり、パスボールやワイルドピッチを防ぐ守備力が求められることになる。

もう一度言うが、ラミレス監督のこの取り組みは非常に面白いと思う。もしかしたらベイスターズのベッテリー組に大きな変革をもたらすのではないだろうか。もし今季のベイスターズ・バッテリーが怖がることなくインハイを攻めてくるようなことになれば、相手打者たちはかなり苦労することになるだろう。すると今季のベイスターズはバッテリーの力によって上位進出することになるかもしれない。ラミレス監督の取り組みをニュースで知り、筆者はそのように感じているのである。






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