メジャーリーグ,練習量

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2015年11月05日

日本人打者は練習量からすでにメジャーリーガーを下回っている

logo-npb.gif筆者はプロ野球もメジャーリーグも好きで、どちらも良く観ている。頻繁にスタジアムに行くことはできないが、しかし行けない時はインターネットのライヴ中継やオンデマンドで過去の試合やマイナーリーグの試合を観て楽しんでいる。両方見比べて感じるのは、バッターに関しては日本人選手はメジャーリーガーたちのレベルには達していないということだ。

メジャーリーガーはあまり長時間の練習をしないと勘違いされている。確かに日本人メジャーリーガーのインタビューやスポーツ紙記事を読むと、日本のキャンプと比べると毎日短時間で終わってしまうということがよく書かれている。これにより誤解されてしまうのだが、実は一流メジャーリーガーたちは本当にたくさん練習をしているのだ。

例えば有名な話ではトニー・グウィン選手。昨年の6月16日、54歳という若さで亡くなってしまった往年の名選手で、筆者も大好きなスラッガーの一人だ。グウィン選手はメジャーリーグで8回首位打者を獲得している。しかも1994年には.394という驚異的な打率での首位打者獲得だった。メジャー通算では3,141安打をマークしている、サンディエゴ・パドレスの名選手だ。

メジャーリーガーはとにかく個人練習を積極的に行う。グウィン選手も試合の前に500球を打ち込み、試合後にも500球を打ち込む。シーズン中であっても毎日1,000スウィングを日課としていたのだ。これだけたくさん練習をした結果が、3,141安打という記録なのだ。

筆者は現在野球に携わる仕事に就いているのだが、日本のプロ野球選手でこれほど打ち込んでいる選手の話をほとんど耳にしたことがない。キャンプ中にはよく耳にするが、しかしシーズン中となるとここまで練習をする選手は皆無ではないだろうか。実際のところ個人練習を含めた練習時間を比べると、日本のプロ選手よりも、一流メジャーリーガーたちの方がずっと長いはずだ。

ちなみに一流だからといって、毎日豪華な施設で練習をしているわけではない。グウィン選手の場合は、1ケージしかないバッティングセンターのような狭い場所で毎日打ち込んでいたと言う。それこそ投球練習ができる程度の広さだったようだ。メジャーリーガーの場合、このように自分専用の練習施設を作ったり、借りたりするケースが多い。

では日本人選手の場合はどうだろうか?筆者は明確な事実として知っているのは、埼玉西武ライオンズの浅村栄斗選手の個人練習だ。打点王を獲得した2013年はナイトゲームが終わると熊澤とおるコーチの野球塾に通っていた。一般生徒が帰ったあとの塾で、熊澤コーチのマンツーマンコーチングを受け続けていたのだ。熊澤コーチとは元ライオンズのコーチで、選手たちからの信頼が厚い、高い指導力を持っているコーチだ。

熊澤コーチの指導を仰ぎ練習を続けた成果が、打点王という結果に繋がったのだ。きっと筆者が耳にしたことがなくても、素晴らしい結果を出している選手たちはこのような個人練習を行っているのだと思う。だがメジャーリーガーと比較をすると、それを行っている選手は非常に少ないという実感だ。

日本人選手の場合は試合が終わるとマッサージを受けて、疲れを翌日に残さないことに主眼に置いてしまう。だがメジャーリーガーは試合後に練習をして疲れてしまうのならば、疲れない体力を付ければいい、と考えている。そのためスタジアムでの集合から解散時間の前後であっても、気にせずジムに行ったり個人練習に励んだりしている。

日本人のバッターがメジャーリーグのレベルにもっと近付くためには、プロ選手こそもっと練習量を増やすべきではないだろうか。スポーツニュースなどでよく読む非常に残念な記事として「プロよりも高校時代の方が練習がキツかった」というものがある。筆者はこのようなニュースを読むたびにガッカリしてしまう。プロ入り後、高校時代よりも楽だと感じる練習しかしないのでは、それをアスリートと呼ぶことはできない。

ちなみに今季圧倒的な強さで日本一になった福岡ソフトバンクホークスであっても、ワールドシリーズチャンピオンに輝いたロイヤルズには簡単には勝てないだろう。なぜならロイヤルズの打者たちの多くは日本でも活躍できると思うが、ホークスの打者のほとんどはメジャーで活躍できるほどではないからだ。

ホークス孫オーナーの気持ちはよくわかる。日本シリーズ覇者とワールドシリーズ覇者で勝負をつけるのは面白いことだと思う。だが現状ではそれを企画したとしても、メジャーリーグ側が受け入れるとは考えられない。それは単純にメジャーのスカウトマンたちが、メジャーで通用する日本人選手はそれほど多くはないと考えているためだ。つまり日本シリーズの覇者が対戦すべきなのは、まずはワールドシリーズチャンピオンではなく、3Aのトップチームであるというのが、メジャー側の考えなのだ。

その考えを覆すためにも、孫オーナーが提唱する真のワールドシリーズを実現させるためにも、日本人打者はもっともっと練習量を増やし、もっともっと貪欲にメジャーリーガーの技術を盗んでいって欲しい。いつまでも一昔前の技術指導しかできないような一部コーチに頼るのではなく、自らでメジャーのトップレベルにある選手たちから技術を盗んでいって欲しい。そしてそれをしている選手たちが今、日本でも素晴らしい成績を残し始めている。すべての打者が早くそこに気づくべきだと筆者は強く願っているのである。





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