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2018年09月28日

報復死球で5,600万円をフイにしてしまったCCサバシア投手

  • メジャーリーグでは当然のことのように行われている報復死球
  • 5,600万円をフイにしてでも同僚を守ろうとしたCCサバシア投手
  • この発端は田中将大投手が当ててしまった死球にあった

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日本のプロ野球ではほとんど見ることはないのだが、メジャーリーグではデッドボールに対する報復が行われることが多い。昨日のレイズvsヤンキースの一戦でもデッドボールに対する、デッドボールによる報復が行われた。この報復に関してはアメリカ国内でも賛否両論あるわけだが、この報復がメジャーからなくなることは当分はないと思う。それくらい、やった方もやられた方も当然だという雰囲気が、試合を見ていると感じられる。


発端は9月27日の試合だった。ヤンキースのマウンドには田中将大投手、レイズの打席にはケビン・キアマイヤー選手だが立っていた。だが田中投手がミスコントロールしたボールがキアマイヤー選手の右足に直撃してしまい、診断の末、骨折という最悪の結果になってしまった。レイズとしてはキアマイヤー選手が主力ではなかったことが不幸中の幸いだったとも言えるが、しかしメジャーとマイナーを行ったり来たりしているキアマイヤー選手にとっては、この骨折はメジャーで年俸を稼ぐための大きなチャンスを失ってしまうという結果になる。

このキアマイヤー選手の骨折に対して報復を行なったのが、アンドリュー・キトリッジ投手だった。翌28日の試合の6回表、ヤンキースのオースティン・ロマイン捕手の頭部付近にビーンボールまがいのボールを投げ込んだ。だがこれは、キアマイヤー選手が当てられたことに対する報復というだけではない。この直前の5回裏、ヤンキースの先発CCサバシア投手が、ジェイク・バウワーズ選手にデッドボールを当てていた。これはさすがに故意死球ではなかったと思うのだが、しかしレイズからすれば2日連続でデッドボールを当てられたことになり、ここから報復合戦がエスカレートして行くことになる。

ロマイン捕手への頭部付近へのボールは直撃とはならず事なきを得たが、万が一頭部に当たっていたら大乱闘となっていたし、ロマイン捕手が大怪我していた可能性もあった。だがカッとなりやすいサバシア投手はこのビーンボールまがいの投球を見過ごすことができなかった。直後の6回裏、サバシア投手はスークレ捕手の左脚にデッドボールを当てた。この試合はキトリッジ投手の頭部付近への投球により警告試合が宣告されていたため、サバシア投手はスークレ捕手にデッドボールを当てた瞬間に自動的に退場処分となってしまう。ちなみに同時にヤンキースのブーン監督も指揮官としての責任により退場処分を課されている。

デッドボールを当てた後も、もしサバシア投手が大人しくしていればここまで大騒ぎになることはなかったと思うのだが、大人しくしていられるサバシア投手ではない。デッドボールを当てた後、レイズのダグアウトを指差して何やら言葉を発しているのだ。なんと言ったかは不明だし、サバシア投手もエキサイトしていて覚えていないと話しているのだが、少なくとも良い言葉ではないことは確かだ。

実はサバシア投手はこの試合で7回まで投げ抜ければシーズン155イニングスとなり、50万ドル(約5,600万円)のインセンティヴを受け取るはずだった。だがサバシア投手にとっての今季最終登板は6回0/3で終わってしまい、インセンティヴまであと2イニングス足りなかった。そして試合後、サバシア投手は「当然のことをしたまで」と話し、チームメイトが攻撃されたらやり返すのが当たり前だと語った。

デッドボールによる報復は決して褒められることではないが、しかしチームメイトからすれば50万ドルをフイにしてでもチームメイトを守ろうとしたサバシア投手の姿勢は、胸に突き刺さったはずだ。メジャーリーグにチームワークは存在しないと言われることもあるわけだが、そんなことはない。メジャーリーグであっても、チームメイトを愛する気持ちは日本人とまったく変わらない。それどころか、日本人選手以上に味方を守ろうとする気持ちは強いのではないだろうか。

日本の場合は死球を受けたら「あいつを打ち崩して仕返しをしてやろう!」と考えることが多いが、しかしだからと言って本当に打てるわけではない。その点メジャーリーガーの場合はデッドボールによって確実にやり返すことを好む。この行為が良いとは決して言えないわけだが、しかしそこまで熱くなれるというのは、それだけベースボールを愛しているからだと筆者は感じている。だからこそプレイヤーとしての寿命を縮めかねないようなデッドボールを味方が受けた際には、チームメイトたちはまるで自分のことのようにヒートアップして行く。報復行為を褒めることはできないが、しかしそのようにヒートアップできるスピリッツに関してはリスペクトすべきだと、この試合の出来事を見ていて筆者は改めて思ったのであった。





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