田中将大

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2016年03月07日

名門ヤンキースのエースへの階段を昇り続ける田中将大投手

logo-mlb.gif2016年シーズン、名門ニューヨーク・ヤンキースの開幕投手に2年連続田中将大投手が選ばれる可能性が高まってきた。田中投手は昨シーズンのオフに、右肘の骨片除去手術を受けているのだが、その後のコンディショニングは良好であるようだ。

3月6日、フィリーズとのオープン戦で今季初マウンドに立った田中投手は、2イニングスを投げて被安打2、奪三振2、四球1、無失点という上々のピッチングを披露した。手術明けの初登板としては、ジラルディ監督を安心させるに足る内容だったと思う。

ジラルディ監督も、今後のコンディションを見極めながらという脚注は付けているものの、田中投手を開幕投手に選ぶ可能性があるというニュアンスをコメントで残している。開幕投手に選ばれるだけでも素晴らしいことなのに、それが名門ヤンキースであり、しかも日本人投手ということが本当に素晴らしい。まさに田中投手は名実ともにヤンキースのエースになりつつある。

田中投手は日本で7年、メジャーで2年プレーをし、その9年のうちで2桁勝てなかったのは2008年の9勝7敗が唯一だった。つまり田中投手は高卒1年からとにかく勝ち続けているのだ。日本ラストイヤーとなっている2013年の24勝0敗という数字はまさに神がかっており、今後伝説として球史に語り継がれていくのだろう。

プロ入り直後の田中投手の投球フォームは、豪快に腕力を使ったあまり良くない投げ方だった。それが佐藤義則コーチの指導のおかげで、股関節の使い方が非常に上手くなっていく。股関節を上手く使うことができれば下半身と上半身の連動は良くなり、小さな筋出力であっても強いボールを投げることができる。もし田中投手が佐藤コーチと出会っていなければ、恐らくは肩痛や肘痛に苦しんでいたのではないだろうか。

また、プロ入り後の動作改善がなければ、メジャーでここまで活躍できるレベルには至っていなかったはずだ。メジャー2年間で25勝12敗、防御率3.16という数字は立派であり、22億円を超える年俸に相応しい活躍をしていると言える。メジャーリーグでスタメンに名を連ねるほとんどの打者たちは、日本に来れば4番を任させるような選手たちばかりだ。そんな打者が9人も居並ぶ打線を相手にしているのだから、日本での25勝とメジャーでの25勝とでは、まるで価値が違ってしまう。

日本では田中投手が投げるパワーボールに力負けする打者ばかりだったが、メジャーでは田中投手クラスのボールを投げる投手などいくらでもいる。つまりパワーボールに頼ってピッチングをしているだけではメジャーでは通用などせず、パワーボールを最大限に活かせる投球術があるからこそ、田中投手はメジャーでもこんなに素晴らしい成績を残すことができているのだ。

メジャーリーグのレベルは本当に高い。技術だけではなく、コンディショニングも成功させなければ活躍し続けることは不可能だ。平成の怪物と呼ばれるかつての日本のエース、松坂大輔投手でさえコンディショニングが上手くいかず、メジャー8年間で満足の行く数字を残せたのは2〜3年だけだった。

松坂投手はメジャー移籍直後の2年間は本当に素晴らしい成績を残せたが、その後はコンディションの低下とともに成績も下降線をたどってしまう。田中将大投手にとっても、今季は正念場と言えるだろう。メジャーで2年間投げるという疲労は半端なものではない。そのメンテナンスを行うという意味での昨オフの手術でもあったわけだが、田中投手の真価が問われるのはまさに今季だと言える。

今季も怪我なくローテーションを守り、メジャーでのキャリアハイをマークすることができれば、田中投手はヤンキースの真のエースとしての地位を勝ち取ることができるだろう。だがこれまで日本人投手にとってメジャー3〜4年目というのは鬼門となっている。野茂英雄投手、松坂大輔投手、ダルビッシュ有投手、岩隈久志投手ら、名だたる投手たちが3〜4年目というシーズンで苦労をしている。

だが田中投手の強みは、松坂投手やダルビッシュ投手からその経験を学べるということだ。実際ダルビッシュ投手は田中投手のことを弟のように面倒を見てくれるし、松坂投手にしても田中投手に対し好意的に接している。彼らの経験値はそのまま田中投手の財産となり、その莫大な財産が、きっと日本人投手の鬼門であるメジャー3〜4年目のシーズンを、田中投手に乗り越えさせてくれるはずだ。

そしてこの鬼門さえ上手く乗り越えることができれば、もしかしたら日本人初のサイ・ヤング賞投手が生まれるのではないかと、筆者は密かに期待しているのであった。






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