パドレス,野茂英雄,斎藤隆

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2016年02月16日

野茂英雄氏を迎え日本市場の開拓に本腰を入れ始めたパドレス

logo-mlb.gif2月11日、サンディエゴ・パドレスはアドバイザーとして野茂英雄氏を迎え入れたことを発表した。パドレスは昨年末には斎藤隆氏のこともインターンとして迎え入れている。この短い期間に於いて2人の日本人を迎え入れたというのは、今後パドレスが日本市場に向けて力を注いでいくという意思表示だと言えないだろうか。

近年メジャー移籍する日本人選手は非常に増えてきたが、パドレスに所属した日本人選手は過去2人しかいない。大塚晶文投手と、井口資仁選手だ。大塚投手は2004〜2005年の2シーズンをパドレスでプレーし、井口選手は2008年の途中までプレーした。

大塚投手はセットアッパーとして高い評価を得る活躍を見せたが、在籍2年目で肘を痛めてしまい、パドレスは3年目の契約を結ぶことはなかった。一方の井口選手は2008年にパドレスに加入したが、その9月1日に解雇されている。このような歴史を見る限り、これまでのパドレスは日本人選手に対してそれほどの熱意は持っていなかったと言える。

それがこの冬はどうだろうか。野茂英雄氏、斎藤隆氏を迎え入れ、FA市場ではホークスの松田宣浩選手の獲得を目指した。急に日本球界に対し熱視線を送り始めたように見えるが、これはやはり2〜3年内にどうしても獲得したい日本人選手がいるからと見るべきだろうか。例えばファイターズの大谷翔平投手はメジャー志向が強く、実際にメジャー側からの評価も非常に高い。そして今現在、野茂英雄氏はアリゾナにキャンプを張るファイターズの視察を行っている最中だ。

大谷投手は体格を見てもメジャー級だ。メジャーリーグのエースピッチャーと並んだとしてもまったく遜色はない。いわゆる日本人離れした体格であり、メジャーの屈強打者のバットを押し返せるようなパワーボールを投げることもできる。パドレスが大谷投手の獲得を本気で目指していたとしても不思議はないだろう。

だが野茂英雄氏を迎え入れたのはそのためだけではないはずだ。そもそも大谷投手ら日本人有力選手のスカウティングであれば、わざわざ日本人を迎え入れる必要はない。プロ野球の試合を観に行けば、バックネット裏でメジャーのスカウトマンを見ることはもはや珍しいことではなくなった。ということはスカウティングだけではなく、商業面でも日本市場の開拓を目指しているのではないだろうか。

現在日本で人気のメジャーチームと言えばヤンキース、レッドソックス、マリナーズ、ドジャース、メッツ、レンジャーズ、マーリンズなどまだ数少ない。もちろんメジャーリーグファンにとってはそれだけではないが、しかし一般的なプロ野球ファンからすればその程度のものだろう。パドレスとしては、この枠組みの中に食い込んでいきたいという思惑があるのではないだろうか。

ちなみにサンディエゴという街に隣接しているメキシコのティファナには、日本企業や韓国企業も多く工場を持っている。そしてその工場で働く職員たちの多くがサンディエゴで暮らしている。要するにパドレスはこのコミュニティを今まで以上にペトコ・パークに呼び寄せたいのではないだろうか。そしてそのためには知名度の高い日本人選手、韓国人選手を獲得する必要がある。ちなみにパドレスはこの冬、李大浩選手にも興味を示していた。

単純にプレイヤーとしてのみのスカウティングであれば、アメリカ人スカウトマンの働きで十分だ。だが人柄の良し悪しや、観客を呼べる選手であるかどうかまではアメリカ人スカウトマンの目だけでは測り切れない。つまり野茂英雄氏や斎藤隆氏は、そのあたりの情報を正確に提供してもらうために迎え入れられた人材だったのではないだろうか。

今後パドレスの思惑が上手くいけば、数年後には日本でサンディエゴのキャップを被ったメジャーファンが増えているかもしれない。筆者個人としては故トニー・グウィンの大ファンであったため、パドレスは比較的身近なメジャー球団だ。だが一般的な野球ファンは、サンディエゴ・パドレスがどのようなチームなのかはほとんど知らないだろう。しかし数年後にはこの状況が変わり、日本の野球少年たちがサンディエゴのキャップを被っている姿を多く目にするかもしれないと、筆者は今記事を締めくくりながら想像しているのであった。






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