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2016年06月18日

イチロー選手の体を支えている初動負荷トレーニングとは?!

  • イチロー選手の体を支えている初動負荷トレーニング!
  • 初動負荷理論とは一体どのような理論なのか?!
  • 初動負荷トレーニングと終動負荷トレーニングの違い

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昨日の記事で、イチロー選手が最も優れているのは怪我をしないことだと書いた。ではなぜイチロー選手は43歳という年齢を迎えながらも、ここまで大きな怪我をせずにプレーし続けることができたのか?その秘密は、最近スポーツニュースでも取り上げられることの多い初動負荷トレーニングに隠されている。


初動負荷理論については提唱している小山裕史(こやまやすし)コーチが何冊か著書 を出版されており、その中に詳しく書かれている。だが小山コーチの著書は書いてあることが比較的難しく、恐らく初心者の方が読んでも途中で読むのを挫折してしまうのではないだろうか。だがそれを踏まえて最後まで読んでいただければ、きっと初動負荷トレーニングの有効性を深くわかっていただけるはずだ。

筆者自身、初動負荷理論の専門家ではないのだが、しかし小山コーチの著作を何冊か拝読させてもらい、その理論を野球指導の現場で活かしている。ではそもそも初動負荷理論とは一言で表すとどのようなことなのだろうか?

かんたんに言うと、何か動作をしようと試みる際、必ず最初に動く部分が発生する。例えば走るのであれば、まず腕が動く。そして投げるのであれば、まず足を踏ん張る必要がある。一言ではなく、厳密ではないかもしれないが、これがいわゆる初動だ。

例えばゴムバンドを引っ張るイメージをしてもらいたい。ゴムバンドの張力が0の状態から、ゴムバンドを引っ張って張力を出し始める作業が初動だ。そして伸ばしたゴムバンドを伸びたまま維持させるのが終動となる。

野球のピッチャー経験者であれば、インナーマッスルをコンディショニングするためのインナリングについてご存知の方も多いかもしれない。インナリングは、ゴムバンドをただ引っ張っているだけでは効果はほとんどない。適切な角度、適切な負荷で動いていかなければインナリングの効果は得られないのだ。

まず張力0にした状態のゴムバンドを、適切な角度でサッと素早く引っ張る。そしてスタートポジションにゆっくりと戻していく。これがインナリングの基本動作となるわけだが、サッと素早く動かすことにより、アウターマッスルが動き始める前に、インナーマッスルだけでゴムを引っ張る動作を終えることができるのだ。

逆にインナリングでゴムをゆっくり引っ張ってしまうと、インナーマッスルではなく、アウターマッスルが動き始めてしまうため、インナーマッスルをコンディショニングすることができなくなる。そしてこの、サッと素早く引っ張る動作が初動ということになる。

イチロー選手が取り組んでいる初動負荷トレーニングとは、この初動を使って行うトレーニングのことを言う。例えばダンベルを持ち上げるトレーニングでは、必ず筋肉が硬直した状態になる。そして硬直した筋肉の状態でトレーニングを続けてしまえば、筋肉の柔軟性はどんどん低下してしまう。この筋肉を硬直させた状態で行うものが、終動負荷トレーニングということになる。

関節の可動域云々以前に、筋肉そのものが硬くなってしまうためにボールを投げていても比較的かんたんに肩肘を故障してしまいがちになる。だがイチロー選手のように筋肉を硬直させない初動負荷トレーニングを続けていくと、筋肉はもちろんのこと、関節そのものの可動性も高まっていく。イチロー選手自身、初動負荷トレーニングを続けたことにより関節が非常に柔らかくなっていったと言う。

イチロー選手は時々、スポーツ選手と動物の動作を比較して野球を語ることがあるが、これは小山コーチが指導されている初動負荷理論のことだ。動物は体が硬くなるということはない。その理由はシンプルで、自らの体の構造に反した動きはしないためだ。

だが人間の場合は体の構造に反した動きでトレーニングを行いたがる。そのため体の構造にフィットしない筋肉が出来上がってしまい、怪我をするリスクを高めてしまうのだ。人間は走っているだけで怪我をすることもあるが、チーターは時速120キロで走っても、走ることによって怪我をすることはない。なぜならチーターは自らの体の構造にフィットした筋力しか持たないからだ。

そしてイチロー選手もあれだけのレーザービームを投げ続けても、20年以上試合に出続けてもほとんど怪我をしない。なぜなら人体の構造にフィットした筋力の強さを身につけているからだ。そしてそれを可能にするのが初動負荷トレーニングなのである。

ちなみに初動負荷理論に基づいて作られたシューズが、イチロー選手が履いているBeMoLoシューズとスパイクなのである。一般的なランシューズと同等の価格であるため、興味のある方はぜひ試していただければと思います。





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