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2016年04月09日

ノーヒットのまま100球で降板したストリップリング投手

logo-mlb.gif今季のドジャースは開幕直後からたくさんの話題を提供してくれる。前田健太投手がメジャー初勝利・初ホームランを記録したかと思えば、今度はメジャー初登板となったロス・ストリップリング投手が8回1アウトの場面、ノーヒッターのままマウンドを降りた。

あとアウトを5つ取れればメジャーデビューでノーヒッターを達成するという史上初の快挙となったわけだが、残念ながらその夢が叶うことはなかった。8回に1アウトを取った直後に四球を出してしまうと、降板を命じられてしまった。そしてその直後、リリーバーとしてマウンドに登ったクリス・ハッチャー投手がトレヴァー・ブラウン選手に同点とされる2ランホームランを浴びてしまう。

そして延長10回にはジョー・ブラントン投手がブランドン・クロフォード選手にサヨナラホームランを浴び、ドジャースは残念ながら敗れてしまった。

8回の同点ホームランはジャイアンツのブラウン選手にとってはメジャー初ホームランとなった。メジャー初先発でノーヒッター間近のピッチングを披露したストリップリング投手に対し、メジャー初ホームランのブラウン選手。まさに初物尽くしのサンフランシスコの夜だった。

さて、ここで気になるのはヒットを1本も打たれないままストリップリング投手がマウンドを降りる必要があったのかどうか、という点だ。結論から言えばこれは監督判断であるため、様々な要素を合わせ検討した上で、この降板がベストという判断になったのだろう。ではその要素とは?

まず最初に考えなければならないのは、ストリップリング投手が2014年4月2日にトミー・ジョン手術を受けているという点だ。そのため2014年シーズンはマウンドに立つことなく終え、復帰した昨季もマイナーで14試合に先発し、平均5イニングスを投げる程度に限度していた。そのため今はまだ無理をさせる時期ではないと判断したのだろう。確かにこの試合でノーヒッターになることよりも、シーズンを通して活躍し続けることの方がずっと大事だ。

2つ目の要素は雨だ。プレーボール直後はほとんど降っていなかった雨が、8回には本降りになっていた。ボールが濡れれば滑らないように少し強めにグリップしなければならない。だが握力を強く使ってしまうと肘関節がロックされやすくなる。つまり手術した肘に負荷をかけないため、雨が強まったところでの降板となったのだろう。

ノーヒッターのまま100球ちょうどで降板させるなんてやり過ぎだ、と思うかもしれないが、しかしストリップリング投手の現状を考えるならば、これがベストな判断だったと筆者には思える。

ストリップリング投手はこの試合、2種類のカーブを効果的に使い、打者のタイミングを上手く外していた。なお8回に取った1アウトに関してだが、これはほとんどヒットのようなものだ。いや、本来はヒットになるはずだった。だがライトを守っていたヤシエグ・プイグ選手の超ファインプレーによってヒットになることはなかった。


メジャーデビューとなったこの試合、ストリップリング投手はノーヒッターにならなくて、ある意味では良かったような気がする。デビュー戦で偉業を達成してしまえばメディアが大騒ぎし、きっと持て囃されてしまう。すると徐々に自分は偉大な選手だと誤解するようになってしまい、若手のうちに経験しておくべき苦労を避けるようになってしまうこともあっただろう。

しかしノーヒッターにならなかったことで、もっと上を目指そうという気持ちが今まで以上に強くなったはずだ。次戦もここまで素晴らしいピッチングができるとは思わないが、少しずつステップを重ねていき、真のメジャーリーガーとして成長した1〜2年後に、またチャンスがあれば真のノーヒッターを目指せばいいと思う。

8回のライトへの打球でヒットを打たれたと思えば、ストリップリング投手自身も様々な要素を踏まえ、納得の降板だったのではないだろうか。






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