呉昇桓

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2016年01月14日

阪神退団の呉昇桓投手、カージナルスと契約するまでの経緯

logo-tigers.gif呉昇桓投手は2014〜2015年にかけて、阪神タイガースの不動のクローザーだった。来日1年目の2014年は39セーブ、2015年は41セーブでそれぞれセーブ王に輝いている。来季もタイガース残留が濃厚だったはずだが、激震が走ったのは2015年11月24日のことだった。

呉昇桓投手は2014年11月、マカオのカジノを訪れていた。日本人がこれを聞いても「ラスベガスに行ってきた」程度の感想しか持たないとは思うが、呉昇桓投手の母国である韓国では事情が違う。韓国はギャンブルに対し非常に厳しい国情がある。近年も大物経済人やスポーツ選手がこぞってギャンブルによって摘発されている。

常住性があれば常習賭博罪で重い刑を受けることもあるが、常習性がなければ単純賭博罪で罰金など、比較的軽い刑で済む。呉昇桓投手が訪れたのはマカオの組織暴力団関係者が経営するカジノだった。そのため暴力団との関係性も疑われていたが、しかし捜査により暴力団との関係性は確認されず、常習性もなかったため、罰金約70万円の略式命令で済んでいた。

結果的に「韓国人」として羽を伸ばし過ぎたというだけの話だったわけだが、阪神球団は呉昇桓投手が韓国検察の取り調べを受けて間もなく、12月11日という早い段階で残留交渉を打ち切ってしまった。確かに韓国人としての法を犯した呉昇桓投手に非はあるわけだが、筆者個人としては呉昇桓投手は功労者であるため、もう少し待ってあげてもいいのではないかと感じていた。

一方韓国球界では、呉昇桓投手が韓国球界に復帰した場合、シーズンの前半50%を出場停止にする処分を下していた。韓国でこの処分は仕方ないとしても、しかし阪神球団はやはり、少し早まり過ぎたのではないだろうか。長期化するような事例でもなかったため、せめて年内までは待ってあげて欲しかった。

呉昇桓投手は人柄的にも素晴らしい選手だとよく耳にする。韓国時代には落合英二コーチの熱心な指導を受け、不振から脱することができたということもあり、親日家としての顔も持っている。練習熱心で、スポーツニュースを読むと同僚である福原投手に様々な質問を寄せ、更なる成長を目指していたようだ。その福原投手も呉昇桓投手に対し、カージナルス入りが決まった際にエールを送っている。

そう、呉昇桓投手は2016年1月11日、セントルイス・カージナルスとメジャー契約を結ぶことができたのだ。カージナルスにはローゼンタル投手というクローザーがいるわけだが、呉昇桓投手は彼に繋いでいくセットアッパーの役割を与えられたようだ。阪神との契約交渉を打ち切られ、韓国球界にも復帰しづらくなっていた状況の中、メジャー契約を結べて本当に良かったと筆者は喜んでいる。

罰金で済んだ後、呉昇桓投手はファンに宛てた手記を発表している。このように呉昇桓投手はとても良い人柄なのだ。そんな投手が今回のような出来事のせいで日本を去ってしまうのはとても寂しい。だがメジャーリーグは呉昇桓投手の一つの夢でもあったはずだから、そういう意味では目指した形ではないにせよ、メジャー契約を果たせたことは結果的には良かったと思う。だがいつかまた阪神タイガースでプレーをしてくれる日が訪れればそれが最高であると、筆者は今思い描いているのである。





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