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2016年04月14日

今年もメジャー昇格を果たした米国でも珍しいスイッチピッチャー

logo-mlb.gif日本プロ野球史上でスイッチピッチャーは1人しかいなかった。ホークスやタイガースのユニフォームを着た近田豊年投手だ。プロ入り後はスイッチピッチャーとして注目された投手ではあるが、しかし公式戦の登板は1試合のみでプロの世界を去ってしまった。その1試合も左投げのみだったため、残念ながら公式戦ではスイッチピッチングを披露してはいない。

ちなみに近田投手は右で投げる際はアンダーハンドスローで、左で投げる際はオーバーハンドスローで投げていた。変則中の変則というタイプの投手だ。そして今メジャーに、アメリカでも珍しいスイッチピッチャーが昇格してきた。ブルージェイズのパット・ヴェンディット投手だ。


先日メジャーに昇格すると1イニングを無安打・無失点で投げ終えている。メジャーデビューは2015年だった。昨季はアスレティックスでプレーをしたのだが、26試合に投げて2勝2敗、4.40という成績だった。ヴェンディット投手は左右共にサイドハンドスローで、足のフィニッシュ以外はほとんど同じ形で投げている。そういう意味では純粋なスイッチピッチャーと言えるのだろう。スライダー系のボールを中心に打たせて取るタイプの投手だ。

2008〜2014年は主にヤンキースのマイナーでプレーをしていたのだが、その時に面白いエピソードを残している。投手がスイッチピッチャーなら、打者もスイッチヒッターだった。そしてヴェンディット投手がグラヴを左手にはめると打者は左打席に入り、その姿を見ると今度はヴェンディット投手はグラヴを右手にはめる。このやり取りが繰り返されたのだ。

この出来事によりスイッチピッチャーとスイッチヒッターが対戦する際は、投手があらかじめ投げ手を決めなければならないというルールが新設された。スイッチピッチャーの場合、対戦中の打者が出塁するか、アウトになるか、打席途中で代打を出されるかしなければ、投手は投げる手を変えることはできない。

そして仮に投手が怪我をしてしまい、打席途中でどうしても投げ手を変えなければならない時は、その打者との対戦を終えてもその試合中は投げる手を変えることはできない。

スイッチピッチャーに関するルールは公認ルールブックにも明記されているわけだが、スイッチピッチャーそのものがほとんどいないため、そのルールを知らない打者も多い。そのため昨季メジャーで投げている際も、打者がヴェンディット投手の投げ手について審判に確認する場面もあった。つまりスイッチピッチャーとはそれほど希少な存在なのだ。

スイッチヒッターとして活躍する選手は多いが、しかしスイッチピッチャーとして近年大成した選手は筆者が知る限りではいない。最も新しくても80〜90年代に活躍したグレッグ・ハリス投手で、それ以前でスイッチピッチャーの活躍を探すと1800年代まで遡らなければならない。

ピッチャーは利き手のみでも活躍を続けることが難しいポジションだ。そういう意味ではやはりスイッチピッチャーというのは活躍は難しいのだろう。しかしスイッチピッチングというのは一つの夢でもある。漫画のように上手くいくケースはほとんどないわけだが、ヴェンディット投手にはぜひ頑張ってもらいたい。スイッチピッチャーとしてブルペンを守り、ブルージェイズを優勝に導き、ワールドシリーズでスイッチピッチングを披露してもらいたい!






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