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2017年02月08日

MLBで敬遠のルールとストライクゾーンが変わることへの筆者の意見

  • メジャーリーグでは今季から敬遠は投球しないで済むようになる?!
  • ストライクゾーンを狭めることは野球を打者有利のスポーツに変えること
  • 球団経営者は昔からホームランの数を増やしたいと考えていた!?

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メジャーリーグのルールが一部、早ければ今季から変更されることになる。敬遠に関するものと、ストライクゾーンに関するものだ。敬遠に関しては4球投げる必要がなくなり、敬遠の意思を示せば投球せずに打者を一塁に歩かせることができるようになる。そしてストライクゾーンに関しては低めが5cm(2inch)狭くなる。競技委員会と規則委員会はすでに承認しているとのことで、あとは選手会が合意すれば今季から変更されることになるようだ。


まずストライクゾーンの縮小に関しては筆者は反対だ。5cmと言えばボール1個分弱狭くなることになる。投手の仕事は低めに狙って投げて凡打を打たせ、アウトカウントを増やすことだ。特にこの変更は変化球投手にとっては大き過ぎるダメージとなる。

低めを狙って投げてもストライクを取ってもらえないのならば、ストライクゾーンの真ん中近くを狙って投げなくてはならず、ほんの僅かなコントロールミスさえも今後は簡単に長打に繋がってしまう。

敬遠に関する変更は試合時間の短縮などが目的であるようだが、ストライクゾーンを狭めるというのは試合時間の短縮に相反する変更となり、矛盾している。ストライクゾーンが狭まり、打者のヒッティングゾーンが狭くなればアウトカントが増えるまでの時間は今までよりも長くなる。無駄な四球も増えるようになるだろう。つまり単純に考えてストライクゾーンを狭めるということは、試合時間を長引かせるということになる。

MLBの経営者たちは、ホームラン数を増やして観客動員数を比例させ増やしたいと昔から考えている。20年以上前だったろうか、MLBも一時は日本で使われていたような飛ぶボール(ラビットボール)を採用しようとしていた。だが野球に対して良識ある方々が強く反対し、結局それは見送られることになった。

だが今度は方法を変え、また野球を打者有利のスポーツにシフトしていこうとしている。投手と打者は、対峙すれば1対1のアスリート勝負となることが望ましい。しかしメジャーリーグ機構と経営者たちは打者の肩を持つという態度を表明したことになる。ストライクゾーンを狭めるということは、つまりはそういうことなのだ。

仮にこれが、高めを5cm狭くするというのならば、反対に変わりはないが、筆者もそれほど強くは反対しなかったかもしれない。だが低めというのは投手にとってはまさに生命線だ。これでは20勝投手が今後永遠に誕生しなくなってしまう可能性さえある。もし本当に低めを5cm狭めるのであれば、18.44mのマウンド間を18mに縮めるくらいの対等な条件を示してもらいたい。

筆者は野球に関する仕事に就いており、詳しく話すことはできないのだがメジャーリーグでプレーをする選手もクライアントに持っている。その投手に聞いても、やはりストライクゾーンを狭めることには反対意見を示しており、彼の同僚である投手たちも同意見であるようだ。

正直なところ、敬遠を意思を示せば投球せずに済むようになるという変更は、それほど気になるところではない。その理由は「意思を示せば」という条件が存在しているからだ。つまり意思を示さなければ今まで通り4球投げる敬遠に変更点はなく、その4球を巡るドラマが消滅することもない。

実は敬遠というのは、投手を経験されたことのある選手であればおわかりいただけると思うが、投手にとっては非常にストレスが溜まるものなのだ。ベンチから敬遠のサインが出され、快く敬遠をする投手など存在しない。もしそこで気持ち良く敬遠できる投手がいるとすれば、その投手は投手を辞めるべきだし、そもそも投手として大成することはないだろう。

余計なストレスを生み出さず、敬遠により冷静さを失いその後力任せに投げ、フォームを崩し調子を落としてしまうくらいならば、意思を示せば投げずに済むようになるというルール変更は筆者は大賛成だ。ただし、もし「意思を示さなければ敬遠してはならない」というルールであれば反対だ。あくまでも「敬遠の意思を示した場合のみ」という条件があるからこそ、筆者はこの敬遠に関するルール変更を支持したいと思っている。

スポーツのルールは、伝統を重んじることももちろん大切だが、より良くしていくためにはルール変更に対するチャレンジも必要だ。もし失敗であればルールを元に戻せばいいし、改善されれば新ルールを継続すればいい。そうやって新たな伝統を築いていくべきだと考えている。

投球せずに敬遠できるようになるというルールは、ベンチ側の戦術の幅が広がるため、このルールの使い方によっては野球がさらに面白くなる可能性がある。例えばアメフトの各クォーター終盤の時間の使い方のように。しかしストライクゾーンを狭めるというのは、ただ単に野球を打者有利のスポーツにするだけであり、そこに新たな駆け引きが生まれる可能性はほとんどない。少なくとも筆者は今のところまだ思い浮かばない。

このように考えているため、筆者は敬遠に関するルール変更には賛成だが、ストライクゾーンの下部を狭めることには現時点では絶対的に反対の意思を示したい。





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