メジャーリーガー,スーパースロー,送球,アーリーワーク

トップページ > メジャーリーグ
2016年02月26日

メジャーリーガーの超絶送球を生み出すのは腕力ではない

logo-mlb.gifメジャーリーグの内野手を見ていると、たまにとんでもないスーパースローを魅せてくれることがある。これを見る側は野球解説者も含め「外国人選手は上半身が強いからできるプレー」と評することがあるが、これは大きな勘違いだ。現に日本人選手でも上半身の筋肉が凄い選手はいるが、メジャーリーガーのようなスーパースローをできるプレイヤーはほとんどいない。

確かにメジャーリーガーの筋肉量は凄まじい。腕の太さを見ても、まるで太腿のような太さの選手がざらにいる。あの筋肉量は骨格が細い人種である日本人では、手にできたとしても扱い切ることはできない。過去、清原和博選手やG.G.佐藤選手など、日本人離れした上半身の筋肉を手に入れた選手はいたが、それによってパフォーマンスがメジャーリーガーのようになることは決してなく、それどころかほとんど確実に膝を痛めて走ることさえもままならなくなっている。


繰り返すが、腕力だけでスーパースローを魅せることはできない。ではメジャーリーガーはなぜあんな物凄いスローイングをすることができるのか。その秘密はコアに隠されている。コアは体幹と言ったりもするが、体の軸を安定させるためには不可欠なものとなる。コアトレーニングをしっかりと行っているからこそ、どんな姿勢からでも軸がブレることなく、ジャンピングスローであっても鋭いボールを投げることができるのだ。

アーリーワークという言葉は近年日本でも随分と広まってきた。だがアーリーアークを本来の意味で使っているケースは少ない。日本では一般的には単純に早出練習という意味でアーリーワークという言葉が使われている。しかしメジャーリーグなどで行われる本来のアーリーワークは、早出練習には違いないのだが、内容はとにかくコアトレーニングのみとなっている。チーム練習の前にコアをしっかりと目覚めさせ、体の軸をしっかりと使っているコンディションにしていく。それが本来のアーリーワークだ。

そしてこのアーリーワークは通常1〜2時間を使って行われる。アーリーワークによって軸を起こし、起こしたことにより軸をしっかりと使える状態になってからノックを受けたり、バッティング練習をしたり、ピッチングを行ったりするのだ。ちなみにコアトレーニングを腹筋・背筋の強化と勘違いしている方もいるかもしれないが、それだけではない。筋力強化も含め、軸を軸として上手に使うための訓練を様々なメニューによって行っていくのだ。

日本でもトレーナーがいれば有効なコアトレーニングを行っているチームも増えてきている。しかしそれでもコアトレーニングに取り組む時間に関してはプロ野球であっても、メジャーリーガーのアーリーワークよりは短いのが現状だ。もちろんコアだけがすべてではなく、踏ん張る力であったり、強度の高い運動をしても怪我をしないための筋肉によるプロテクトなどなど、トータルでのバランスが何よりも重要だ。

つまり何が言いたいのかと言えば、メジャーリーガーのように筋骨隆々な上半身を持っていなくても、コアトレーニングによって軸をもっと上手く使えるようになれば、日本人選手であってもスーパースローを魅せることは十分に可能だと言うことだ。筆者は野球技術の研究や指導を職業としているのだが、スローイングだけではなくピッチング、バッティングでも、日本人選手は軸を軸として上手に使えている選手は少ないように感じられる。

こうしてメジャーリーガーと日本人選手のレベルの違いを論理的に並べていくと、日本人選手は一流クラスであってもまだまだ伸び代があるということが良くわかってくる。日本のプロ野球とメジャーリーグとでは、まだまだメジャーリーグの方がレベルは上だ。ワールドシリーズの覇者と日本シリーズの覇者が戦っても、日本シリーズの覇者がワールドシリーズチャンピオンに勝てる可能性は非常に低いと筆者は考えている。

だがメジャーリーグに憧れるのではなく、メジャーリーガーが取り組んでいる膨大なトレーニング量をまずは真似し、それに耐えられるようになれば、日本人野手がメジャーでもっと活躍できるようになると、筆者は信じてやまないのである。







日刊野球ネイションの記事はすべて筆者ことKazuが個人見解の元、すべてオリジナルで作成いたしております。無断転載はお断りしておりますので、転載・転用をご希望の方は必ずご一報くださいませ。ご協力よろしくお願いいたします。
日刊野球ネイション
Copyright(C) 2015-2016 日刊野球ネイション All Rights Reserved.